ニュース

自動車変速機用『低トルクシールリング』を開発【NTN】

2014年3月4日

【世界初!独自のV字状潤滑溝の形成により回転トルクを60%低減、高効率化に貢献!】

NTN㈱(以下、NTN)は、樹脂複合材料の組成を最適化すると共に、シールリング側面に特殊形状の潤滑溝を設けることにより低トルク、低摩耗、低オイルリークを実現した自動車変速機用シールリングを開発しました。

自動変速機(AT)や無段階変速機(CVT)には、外径15~60mmの樹脂製シールリングが4~10個使用されています。シールリングは変速機の油圧回路内で相対運動する軸とハウジングの間に組み付けられ、しゅう動しながらオイルを密封する役割を果たしています。自動車の燃費基準がますます厳しくなる中で、変速機のシールリングには一層の低トルク、低オイルリークのほか、信頼性向上が求められています。

今回開発した「低トルクシールリング」は、特殊充填剤を配合したPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂を用い、射出成形を行う際、シールリングの側面にV 字状の潤滑溝を形成しました。また、V字状溝の形状を最適設計し、オイルリーク特性を確保しながらシールリングを組み付ける軸溝側面との接触面積を小さくしました。さらに、しゅう動面への油の供給性を改良し、潤滑状態を向上させました。この結果、従来品に対し、軸の回転トルクを60%低減することに成功し、摩耗量についても最大1/10と大幅に向上させました。加えて、材料組成の見直しにより、シールリング幅を30%低減させました。本シールリングの採用により、ATやCVTの高効率化、小型化に貢献します。

なお、V字状潤滑溝の形成は、NTN独自の技術であり、世界初の試みです。NTNは、本開発商品を省エネルギー化に貢献する商品として、すでに自動車用変速機メーカーに提案を開始しており、農業機械や建設機械用変速機への用途拡大も図ってまいります。


【特長】
従来品比(長方形断面形状比)
① トルク : 60%低減
② 摩耗量 : 最大1/10
③ オイルリーク特性 : 同等
④ シールリング幅 : 30%低減


【販売目標】

2016年度 1億円/年


【お問い合わせ先】

NTN精密樹脂㈱  TEL 0594-76-8029


【商品写真】


【適用例】






NTN株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#NTN
#トランスミッション
#シーリング
#世界初/日本初/世界最高レベル  
#2014年3月4日