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アルミニウム合金とスチールの摩擦かく拌接合(Friction Stir Welding)サブフレームの開発が第60回大河内記念技術賞を受賞【本田技研工業】

2014年2月14日

Hondaのアルミニウム合金とスチールという異なる金属を連続接合する技術である摩擦かく拌接合(Friction Stir Welding 以下、FSW)を適用したハイブリッドサブフレーム開発技術が、公益財団法人 大河内記念会の「第60回大河内記念技術賞」※1を受賞しました。

Hondaは、燃費向上を目的とした車両の軽量化を目指すなかでFSWに着目し、これまで難しいとされてきたアルミニウム合金とスチールという異種金属を連続接合する技術を開発。軽量化と高剛性化を達成したハイブリッド構造フロントサブフレームとして、2012年9月に発売した北米仕様の「アコード」から採用しています。この接合技術では、スチールに重ねたアルミニウム合金の上から加圧しながら、回転ツールを移動させることにより、アルミニウム合金とスチールの間に安定した金属結合を新たに生成させて接合します。これにより、従来のアーク溶接※2と同等以上の強度での接合が可能となりました。
この技術により、従来のスチール製サブフレームに対し25%の軽量化を達成して燃費向上に寄与するとともに、接合製造時の電力消費量も約50%削減しています。さらに、この技術を用いてサブフレームとサスペンション取り付け部の構造を変更し、取り付け部の剛性を20%向上するなど、車両運動性能の向上にも貢献しています。

またFSWを行う場合、従来は大型装置を用いる手法が一般的でしたが、Hondaはより汎用性の高い産業用ロボットを用いたFSW連続接合システムを開発し、量産車への適用手法を確立しました。なお、このシステムはアルミニウム合金同士の接合にも流用が可能で、フルアルミサブフレームの生産も同一仕様の接合システムで行うことができます。同時に、Hondaは高感度赤外線カメラとレーザー光を用いた非破壊検査システム※3を開発し、製造ライン上での接合部の全数検査も可能としました。
今回の審査では、世界初(接合、防錆、ロボット、非破壊検査)やトップレベル(ダイカスト製法)の5つの技術を確立し、製造時のエネルギーを大幅に低減しながらも、大量生産・出荷を実現したことが評価され、第60回大河内記念技術賞の受賞となりました。

※1   生産工学および生産技術上優れた独創的研究成果をあげ、学術の進歩と産業の発展に貢献した顕著な業績を表彰する賞
※2  半自動のアーク溶接で、スチールとスチール、アルミとアルミを溶接する際に用いられる最も一般的な手法
※3  部品を破壊することなく品質を検査するシステム

大河内記念技術賞の詳細については、公益財団法人大河内記念会のホームページをご参照ください。
大河内記念会公式サイト http://www.okochi.or.jp/hp/top.html






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