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マルチツール連携、MILS、SILSからHILSまでモデル共有を可能とする シミュレーションプラットフォーム「xMOD™」販売開始のお知らせ【IDAJ】

2013年8月1日

㈱IDAJ(以下 IDAJ)は、このたび、フランスに拠点を置くD2Tが開発した、単一の環境上で、様々なツールのモデルを接続し、コ・シミュレーションを実行する能力に優れた「xMOD」の販売を開始しました。

制御システムの開発、特に制御ソフトウェア開発を中心に、モデルベース開発(Model Based Development、以下MBD)のプロセスへの導入が進んでいます。この流れの加速は制御ソフトウェア開発だけにとどまらず、コンポーネント、ハードウェア、ソフトウェアを含むシステム開発の各開発プロセスでも見られます。コンポーネント開発では、メカ要素のモデルと一緒に、コンポーネントに含まれるアクチュエータなどを制御するモデル(後に制御ソフトウェア)を組み込んだシステムとして、シミュレーションと解析を実施しています。このような場合、同一または異なる2ツールを連成しシミュレーションを実行します。そこで、シミュレーション対象が、コンポーネントレベルから、車両全体を想定したシステム全体に拡張された場合、複数のツールで設計されたモデルを連成し、シミュレーションする基盤技術が必要になります。

xMODは、異なるツールで作成されたモデルを結合した複雑なモデルのシミュレーションを、最適に実行するシミュレーションプラットフォームです。エディタ上で、異なるモデルをグラフィカルに結合し、最適化されたソルバーやステップ時間によって、マルチコア上で高速に計算を実行します。PC上でのxMODシミュレーション環境をRTX OS(WindowsネイティブなリアルタイムOS)上に構築することで、シームレスにHILSへ拡張または既存のHILSと連携することが可能です。
例えば自動車業界においては、企画、要求定義などの開発の初期段階と、エンジン、トランスミッションなど各コンポーネントとその制御システムの開発では、シミュレーションに求められる精度と実行時間の要求は異なります。企画や要求定義段階では、燃費、乗り心地、操安性、安全性などさまざまな視点でシミュレーションを行うため、実行時間よりも詳細度や精度が重要になります。そのため、この段階では、エンジン性能評価専用ツール、機械要素の物理現象表現を得意とするツールなど、用途に特化したツールが利用されています。一方で、コンポーネントレベルの開発、ハードウェアおよびソフトウェアの制御システム開発では、実機や実車の代わりに、簡素化されたモデルまたは、リアルタイム計算可能なモデルをシミュレーションに用いて、仮想的な実験・テスト環境下で設計に対する検証を実施します。このような状況の中でMBDが加速すると、開発初期段階で作成した詳細なモデルをそのまま下流の開発工程でも利用できるようにするのが自然です。 xMODは、この異なる要求の橋渡しをするソリューションとして考えられたシミュレーションプラットフォームで、以下の2点を主要なコンセプトとしています。

(1)異なるモデルの結合とシミュレーション実行(Model-In-the-Loop:以下MILS、Software-In-the-Loop:以下SILSとして利用)
(2)MILS・SILSからHardare-In-the-Loop(以下 HILS)への拡張

xMODの概要

xMODでは、異なるモデルを結合する方法として、以下の2つの手法をサポートしています。
- xMOD上で実行可能なモデル同士を接続するスタンドアロン方式
- xMODを介して各ツールのモデルを接続するツール結合方式



スタンドアロン方式で、各モデルがxMOD上で接続されると、シミュレーションは複数のコア上で効率良く実行できるように、自動的に最適化されます。複雑なモデルでも、異なるソルバーによる実行、マルチスレッド実行によって高速に実行することができます。

シミュレーション操作を行うGUIを作成することができます。GUIの各コンポーネント上に、モデルの変数、適合データ(パラメータ)をドラッグ&ドロップで配置し、シミュレーション中にGUI上でデータを操作します。適合したデータは、パラメータファイルとして保存し、デフォルト値に設定することができます。

GUI操作ではテストシナリオを確実に再現することが難しいため、テストシナリオを作成し、自動実行する環境を利用します。テストシナリオは、グラフィカルまたはテキスト形式で記述することが可能です。



xMOD上で、スタンドアロン結合によって異なるモデルを接続しシミュレーションを実行するだけなく、そのモデルを同じ環境でリアルタイムに実行し既存のHILSに接続、電子制御ユニット(ECU)をテストすることができます。この要求は、開発の流れに沿って考えると、自然な流れと言えます。
システムレベルでは、エンジンや車両など制御対象の物理モデルと制御アルゴリズムが結合され、xMOD上でシミュレーション実行されます。開発が進むにつれ、システムは詳細化され、機械・部品・アクチュエータなどの構成要素と電子制御ユニット(ハードウェア・ソフトウェア)という形で具体化されます。電子制御ユニットをテストする環境の1つがHILSです。制御対象のモデルを新たに作成するのではなく、xMOD上でのシミュレーションに使用したモデルを、リアルタイムOS上で実行することで再利用します。このコンセプトによって、MILS/SILSをHILSにシームレスに移行することができます。また、モデルの再利用だけでなく、GUI・テストシナリオも再利用が可能です。



D2Tについて
Head Office : Z.A. de Trappes-Elamcourt, 11Rue Denis Papin – 78190 Trappes, France
D2Tは、フランスに拠点を持ち、パワートレインに関するエンジニアリング、開発、実験ベンチでのテストサービスを提供しています。シミュレーションを中心としたコンセプト段階からエンジンのチューニングの広範囲に渡って、エンジニアリングサービスを提供しています。2006年に、IFP Energies nouvellesの100%子会社になり、エンジニアリングだけでなく、研究センターとしての役割も果たしています。現在は、フランス国内だけでなく、ドイツ、アメリカ、中国、韓国の自動車産業が盛んな国にオフィスを開き、エンジニアリングサービスを提供しています。
その他詳細情報についてはウェブサイトをご参照ください。(http://www.d2t.com


本件に関するお問い合わせ先

㈱ IDAJ  営業部
〒220-8137  神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1-1  横浜ランドマークタワー37F
TEL : 045-683-1990  FAX : 045-683-1999
E-Mail : info@idaj.co.jp


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