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建機向けのハイブリッド駆動装置 実績のあるコモンレールテクノロジーでオフハイウェイ用途の燃費と排出ガスを低減【ボッシュ】

2013年8月7日

ボッシュがBAUMA 2013に出展
建機向けのハイブリッド駆動装置
実績のあるコモンレールテクノロジーでオフハイウェイ用途の燃費と排出ガスを低減

■実績のあるCRS2-18/20-OHWシステムをオフハイウェイ用途向けとして導入開始
■CRSN3-25コモンレールシステムを初めて重機に採用
■排ガス後処理システムでTier 4 Final規制に対応
■Bosch Emission Systems GmbHが建設分野向けの排ガス後処理システムをシングルソースで提供


ハイブリッド車は今後、さらにさまざまな分野に普及すると見られています。そこでボッシュは、電気駆動装置のオフハイウェイ用途への導入を順次進めています。その1例となるのが、吊り上げ動作からエネルギーを回収する、堅牢性の優れたシステムで、建設現場でエネルギー回生システムを搭載したハイブリッド掘削機が使用される日もいずれやってくるでしょう。こうした新しいテクノロジーはエンジンの小型化や低回転化に応用でき、それが実現すれば、最大40%の燃料削減も可能となります。

重機の場合、燃料が最大のコスト要因となることから、大型商用車のハイブリッド化は燃費の著しい向上につながります。また、さらなる排出ガス規制にともない、新しいハイブリッドテクノロジーの導入が後押しされるようになっていきます。つまり、燃費を向上し、さらにCO2排出量も抑える方向に向かうということです。そして、定格出力65 kWを誇る新しい駆動装置は、パフォーマンスを一切損ねることなく、ショートバースト(短時間の高出力使用)時には最高出力120 kW、最大トルク1,000 Nmを発生させます。

ボッシュは新しいコモンレールシステムをベースに、実績を重ねたテクノロジーのオフハイウェイセグメントへの導入を進めています。この高品質な噴射システムは特に、オフハイウェイ用途の厳しい要件にも耐えられるほど高い堅牢性を備えたエンジンの実用化に寄与しています。

優れた品質と効率性を備えたCRS2-18-OHWシステムは、小型から中型の重機に最適なシステムです。これは数百万台の乗用車に搭載されてきたCRS-16をベースとしており、1,800 barというかなりの高圧で噴射することができます。CRS2のインジェクターは、ノズルニードル制御時に動的性能を高めて噴射間隔を短くし、エンジンの柔軟性をさらに広げています。また、燃焼を最適化することで、排出ガスと燃費も抑えました。現在開発中のCRS2-20-OHWは2014年に量産開始予定で、2,000 barでの高圧噴射が可能となります。

CRSN3-25:新しいインジェクターを装備し、組み込みも容易

CRSN3-25は重機向けに設計されたシステムで、商用車セグメントで培ったボッシュの高度な技術がこのオフハイウェイ用途にも存分に活かされています。CRSN3-25はコモンレールシリーズの最新モデルとなるもので、1999年の発売以来、その生産数は1,000万個以上に上ります。インジェクターは最大2,500 barの高圧噴射が可能で、コントロールバルブなどのパーツがレール圧を受け、低圧側と高圧側の間での燃料流出を抑えます。このシステムは、変化する要件に応じて既存のエンジンに適合させるべく開発が重ねられ、前世代のエンジンにも搭載できるようになっているほか、CRSN3-25の高圧噴射は燃費の向上と排出ガスの削減にも寄与します。

ボッシュは、Tier 4 FinalやStage 4といった今後の排出ガス規制にも対応できるエンジンブロックを超える製品も提供しています。有害物質の排出量を低減し、燃費の最適化に寄与するのが、排ガス後処理システムとセンサーです。信頼性の高い高精度センサーからパワートレインやエグゾーストシステムに関する情報が伝達されると、Departronic 2はこの情報を利用してディーゼル燃料を的確に排出ガス流に噴射します。また、これにより、粒子状物質が詰まったパティキュレートフィルターを適切に一定の間隔で再生させることができます。新しいDenoxtronic 6.5は、排出ガス量の著しい削減にも大きく寄与しています。AdBlue(濃度32.5%の尿素水溶液)を排出ガス内に噴射し、NOxの排出量を最大95%、燃費を最大5%抑える新世代のDenoxtronicはモジュール式となっており、さまざまなエンジンに簡単に組み込むことができますので、市場の変化や組み込み要件にも柔軟に対応でき、幅広い市場に導入可能です。

ボッシュ・グループのシステムインテグレーターとなっているボッシュ子会社のBosch Emission Systems GmbH(BESG)は、用途に合わせてコンポーネントを調整できるモジュール式の排ガス後処理システムを開発し、製品ラインナップをさらに強化しました。BESGは、レトロフィットソリューションを採用することで、当初は排ガス後処理システムの導入が考えられていなかった既存の重機にも組み込めるようにし、継続的に開発/導入/コスト削減の検証を進めています。また、BESGは包括的なサービスパッケージをシングルソースで提供しています。個々のコンポーネントを組み合わせて、顧客固有の用途に合わせたシステムを作り上げ、完成後は最新の診断技術を用いてシステムを定期的に評価するサービスなども提供しています。さらに、高効率の排ガス後処理システムのほかにも、サービスプロバイダーとして、最大出力5,000 kWの車両に合わせたモジュールの調整も行っています。

技術の詳細について

このハイブリッドシステムの技術的詳細については、▶データシートをご覧ください。

CRS2-18/20-OHWの技術的詳細については、▶データシートをご覧ください。

CRSN3-25の技術的詳細については、▶データシートをご覧ください。

Bosch Emission Systems GmbH(BESG)の詳細については、▶データシートをご覧ください。



自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2012年の売上高は31.1億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーの売上により、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのポジションを確立しています。
全世界において約177,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、代替駆動コンセプト、効率的そしてネットワーク化されたパワーワトレイン周辺機器、アクティブ/パッシブセーフティシステム、運転支援/コンフォート機能、ユーザーに優しいインフォテインメント技術やCar-to-CarおよびCar2Xコミュニケーションとコンセプト、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。
ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な革新的自動車技術にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。2012年度の従業員数は約30万6,000人、売上高は525億ユーロを計上しています。また2013年初めからは、自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーの4事業セクター体制に移行しました。
ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社約360社、世界約50カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売、サービス代理店のネットワークを加えると、世界の約150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、ボッシュのさらなる成長の基盤です。
ボッシュでは2012年に約48億ユーロもの金額を研究開発に投じ、さらに全世界では4,800件以上の国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。私たちは革新的で有益なソリューションを提供し、そのすべての製品とサービスを通して、人々を魅了し、人々の生活の質を向上させることを目的にしています。この方針に基づき、ボッシュは全世界において人と社会に役立つ革新のテクノロジーを提供し続けていきます。それこそが「Invented for life」です。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)
を参照してください。


このプレスリリースは2013年4月15日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。






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