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新型の電界放出形走査電子顕微鏡「SU8200シリーズ」を発売【日立ハイテクノロジーズ】

2013年5月16日

―新開発のコールドFE電子銃により、さらなる高分解能観察と安定性のある画像提供を実現―

㈱日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:久田 眞佐男/以下、日立ハイテク)は、新たに開発したコールドFE電子銃を搭載することで、超高分解能観察を実現するとともに長時間安定した分析を可能にした、新型の電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)「SU8220」「SU8230」「SU8240」を開発し、「SU8200」シリーズとして5月20日より発売します。

走査電子顕微鏡は、ナノテクノロジー分野、半導体・エレクトロニクス分野、炭素材料、生物・製薬など、幅広い分野で使われています。例えば、リチウムイオン電池や燃料電池に利用される炭素材料や高分子材料、さらには高効率な触媒などの材料研究は、次世代の先端科学技術を支える中核技術として、世界中で研究が進められています。これらの材料が持つ微細構造を観察するため、走査電子顕微鏡は、超高分解能観察が可能なだけでなく、電子線による試料ダメージの軽減を目的とした低加速電圧での観察や高感度な元素分析が必要とされるとともに、これらの性能を常に発揮できる安定性と信頼性が求められています。

この度発売する「SU8200シリーズ」は、収差が小さく低加速電圧での高分解能観察に最も適した、新開発のコールドFE電子銃を搭載しています。新たなコールドFE電子銃は、電子源にガス分子が付着する前の高輝度安定領域を利用することで、高輝度で長時間安定したエミッション電流を実現しています。これにより、低加速電圧条件下でも大きなプローブ電流が得られ、明るく、S/Nに優れた画像を提供し、安定性と信頼性のある画像観察を可能にしています。また、X線の高感度化が進む各社の大口径SDD(Silicon Drift Detector)検出器を搭載でき、新開発のコールドFE電子銃との組み合わせにより、低加速電圧条件下でも、高空間分解能のEDX分析(元素分析)を可能にしました。
また観察性能については、ステージと試料室の耐振性向上と光学系の最適化により、加速電圧(15 kV)分解能を1.0nm(従来機種「SU8000」シリーズ)から0.8nmへと約20%向上し、照射電圧(1kV)の分解能においても1.3 nmから1.1nmに、約15%向上しました。
「SU8200シリーズ」は、試料サイズや目的に合わせて、ステージやチャンバーが異なる3機種をラインアップしています。

国内販売価格は、それぞれSU8220/7,400万円、SU8230/8,000万円、SU8240/8,400万円から(税別)。年間300台の販売を見込んでいます。
日立ハイテクは、5月20日(月)から5月22日(水)まで、大阪府吹田市にて開催される「第69回日本顕微鏡学会学術講演会」において、本機のパネル展示を行う予定です。


主な特長

・ 新開発のコールドFE電子銃を搭載
・ フラッシング直後の高輝度安定領域を使用することによる低加速電圧での高分解能観察と分析の両立
・ 大幅に向上した分解能(1.1nm/1kV、0.8nm/15kV)
・ コンタミネーションの影響を軽減させた高真空試料室
・ Topフィルター機能(オプション)による、さまざまな材料コントラストの可視化機能

主な仕様


*1 : 自社試料のSEM像から最小の粒子間Gapを測定
*2 : リターディングモードによる観察
*3 : 127mm×95mmを表示サイズとして倍率を規定
*4 : Regulus®(REGULated Ultra Stable:日立ハイテク製高性能ステージ)は、㈱日立ハイテクノロジーズの日本における登録商標


◆第69回日本顕微鏡学会学術講演会
http://www.microscopy.or.jp/conf2013/

◆製品ウェブサイト
http://www.hitachi-hitec.com/science/fe_sem/su8200.html


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