ニュース

強度1.2GPa級の溶融亜鉛めっきハイテンが国内自動車に初採用【新日鐵住金】

2013年4月24日

当社が開発した、自動車骨格部品に適用可能な強度1.2GPa(ギガパスカル)級合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板(以下、1.2GPaめっきハイテン)が、スズキ㈱及び部品メーカーの㈱ベルソニカとの適用検討を経て、スズキ㈱が2013年3月に発売した新型軽自動車「スペーシア」の主要骨格部品であるフロアサイドメンバーに適用されました。1.2GPaめっきハイテンが国内自動車メーカーに採用されるのは初となります。

当社はこれまで、冷延鋼板では1.2GPa級のハイテン材を製造して来ましたが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、溶融めっきプロセスが加わるため鋼材特性の造り込みが冷延鋼板に比べ難しく、強度の上限は980MPa(メガパスカル)となっていました。

今回採用された1.2GPaめっきハイテンは、強度と成形性を両立させる最適な微細金属組織を、めっきプロセスを考慮した成分設計と製造プロセスの高度化で実現し、防錆性能も含めた自動車骨格部品に適用可能なトータル性能を付与する事に成功した鋼板です。この鋼板により、自動車におけるハイテンの適用範囲が広がり、自動車の衝突安全性の向上と軽量化に、より一層寄与することが出来ると考えております。

当社は自動車の軽量化等に寄与する環境に優しい鋼材の開発・供給を通じ、またそれらをより広く適用する事を可能にするプレス成形技術をはじめとしたアプリケーション技術の開発を進めて、今後とも需要家や社会の要請に応えて参ります。


<語句説明>

*強度1.2GPa級
引張強度の保証値が1180MPa(メガパスカル)以上の鋼板。引張強度は鋼材が破断する強度。1.2GPa級は、鋼材に1mm2あたり約120kgの力で引っ張って切れる強さ。

*高張力鋼板(ハイテン)
High Tensile Strength Steelの略称。引張強度の保証値が340MPa以上の鋼板の略称。

*合金化溶融亜鉛めっき鋼板 :
溶融した純亜鉛めっき槽に鋼板を浸漬・めっきし、その後、加熱してめっき層を亜鉛・鉄組成に合金化させた鋼板。防錆性能、プレス成形性、スポット溶接性、コストに優れ、自動車用防錆鋼板として、広く使用されている。

*フロアサイドメンバー
運転席・助手席の足元付近にある、キャビンの安全性を確保のための骨格部品のひとつ。車体下部の部品のため、防錆上、めっき材が使用されている。


(お問い合わせ先)
総務部広報センター  TEL : 03-6867-2135




新日鐵住金株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#新日鐵住金
#ハイテン材