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リチウムイオン電池材料製造・販売の合弁会社設立と営業開始について【クレハ】

株式会社クレハ(本社:東京都中央区、社長:岩﨑隆夫、以下「クレハ」)と伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、リチウムイオン電池(以下、LiB)用負極材の販売および関連製造子会社の統括、ならびにLiB用バインダーの販売を行う合弁会社「株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン」(以下、「KBMJ社」)を設立し、2015年度には年商200億円を目指し、10月1日から営業を開始することとしました。

リチウムイオン電池は、携帯電話、ノートパソコン、電動工具などの用途に加え、環境意識の高まりや省資源・省エネルギーへの動きの中、HEV、PHEV、EV向け車載用途や電力貯蔵用定置型電源用途での急速な需要の拡大が見込まれています。
こうした背景の下、クレハと伊藤忠商事は、KBMJ社の運営開始により、クレハの製造力および技術開発力ならびに伊藤忠商事の持つ経営資源および統合力を最大限に活かし、クレハの素材がデファクト・スタンダードとなることを目指すとともに、電池材料事業のグローバル展開を一段と加速させてまいります。
KBMJ社は、クレハの新材料研究所および電池材料技術センターと連携しながら、顧客から吸い上げたLiB材料に関わる課題やニーズをモノづくりと営業活動に反映させ、あわせて品質とコストパフォーマンスの向上に取り組んでまいります。

現在クレハが販売している負極材およびLiB用バインダーについては、10月1日以降、KBMJ社がこれらの販売を行います。
なお、負極材関連の子会社とは、2012年1月に稼動予定の年産1200トンの負極材(昨年7月15日発表の増設分)を製造する会社(今夏、新会社設立予定)と、2013年に稼動予定の負極材の中間原料を製造する会社(株式会社CNPJ)を指し、いずれもKBMJ社が100%出資する会社です。

合弁会社の概要

社名:
株式会社クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン

(英語表記):
Kureha Battery Materials Japan Co.,Ltd.

本社所在地:
東京都中央区日本橋浜町3-3-2

資本金:
4千万円(事業進捗に応じて増資予定)

出資比率:
クレハ70%、伊藤忠商事30%

決算期:
3月末 

社長:
中谷 秀雄((株)クレハ常務執行役員電池材料事業部長)

設立日:
2011年4月5日、営業開始日:2011年10月1日(予定)

投資予定総額(2015年まで):
約100億円

製品の概要

1.  LiB用負極材
クレハは、石油ピッチを原料とする活性炭製造技術をベースに、1991 年に<カーボトロンP>(構造から“ハードカーボン”と呼ばれる)を事業化しました。以来、<カーボトロンP>は、その特性である充放電特性と耐久性を活かした用途(産業用大型 LiB)を中心に使用されてきました。現在、自動車及び電池メーカー各社が車載用LiBの開発に注力する中、各社で<カーボトロンP>のテストが進められ、一部で使用され始めています。

2.  LiB用バインダー
クレハは、 高分子重合技術をベースとして 1970年に日本で初めてふっ化ビニリデン樹脂<KFポリマー>の工業生産を開始しました。以来、ふっ素樹脂としての耐薬品性や電気的特性などの優れた性能と汎用樹脂並みの成型加工性を持つバランスの取れたエンジニアリング・プラスチックの特長を活かし、耐食バルブなどの一般産業用途やLiB用バインダーなど、様々な用途で使用されてきました。LiB用バインダーとしては携帯電話やノートパソコンなどの民生用小型LiB向けに長年の実績が有りますが、近年では車載用LiB用途や電力貯蔵用定置型電源用途などの大型LiB向けでも急速な需要拡大が見込まれています。

伊藤忠商事のLiB関連ビジネスへの取り組み

伊藤忠商事は2011年4月からの新中期経営計画Brand-New Deal 2012においても「二次電池」分野を成長分野と位置づけ、引き続き取組を強化しております。具体的には、LiB製造メーカーである米国Ener1への出資、米国大手電力会社Duke Energy社と蓄電池二次利用の共同プロジェクト実施等に加え、LiB関連素材事業においても、本合弁会社への参画の他、米国シンボルマイニング社への投資によるリチウム資源の確保、LiB用正極材においては、北米における戸田工業株式会社との合弁事業、中国での杉杉集団及び戸田工業株式会社との合弁事業を行っており、今後も積極的な投資によりLiB関連素材事業に注力していきます。


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