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パワー半導体「SJ MOSトランジスタ」のライセンス供与について【デンソー】

2013年2月27日

~デンソー独自の形成技術により、電源機器の省電力化、小型化に寄与~

㈱デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:加藤 宣明)は、世界トップクラス【注1】の低オン抵抗【注2】を実現した、パワー半導体「SJ MOS (Super Junction Metal-Oxide-Semiconductor) トランジスタ」を、半導体・電子部品メーカーである新日本無線株式会社(本社:東京都中央区、社長:小倉 良)にライセンス供与することを決定し、同社とライセンス供与契約を締結しました。

デンソーが開発したSJ MOSトランジスタは、独自の形成技術により、パソコン用A/Cアダプタやサーバー、車載用電力変換装置などの省電力化、小型化に寄与できます。また、一般的に使われているSJ MOSトランジスタの形成技術と比べ、加工回数が少ないため、低コスト化も図れます。
デンソーは、今後もこの技術を広く使っていただくためにSJ MOSトランジスタ技術のライセンス活動を積極的に推進していきます。

デンソーはカーエレクトロニクスの進展を見据え、1968年に「IC研究室」を設置し、40年以上に渡って車載用半導体を開発、設計、生産してきました。これまで培ってきた半導体技術をベースに、先進的な技術の開発に取り組んでいきます。


<注釈>
【注1】SJ MOSトランジスタにおいて。2013年2月現在、デンソー調べ。
【注2】パワー半導体の動作時(通電状態)での抵抗値。値が小さいほど、電力の損失が少なく、省電力化につながります。

<参考>デンソー独自の形成技術

デンソーが開発したSJ MOSトランジスタの形成技術「トレンチ埋め込みエピ(Tench Filling Technology)」は、シリコン製の基板上にミクロン(µm、100万分の1m)単位の微細なトレンチ(溝)を掘り、エピタキシャル成長【注3】させてN 型半導体 と P 型半導体の短冊構造にする特長があります。デンソーは独自の「トレンチ埋め込みエピ」形成技術を用いており、より微細な加工を実現しています。これにより、SJ MOSトランジスタの低オン抵抗と高速スイッチングを実現し、電源機器や車載用電力変換装置などの小型化、省電力化に寄与できます。


<注釈>
【注3】基板上の結晶を化学反応で薄膜成長させる技術。

デンソー独自の形成技術

デンソー製Super Junction(SJ)の概念図




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