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EV の急速充電口から直接バッテリーを計測する技術を開発 性能検査や中古車価値査定に貢献【日置電機】

2022年9月29日

  

EV の急速充電口から直接バッテリーを計測する技術を開発
性能検査や中古車価値査定に貢献

  

HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は、EV やPHEV の急速充電口に専用の計測器を接続し、車に搭載されているバッテリーパックの特性を計測する技術を開発いたしました。
本技術により、車に搭載されているバッテリーパックの特性を直接計測し、その計測結果から状態検査ができるようになりました。


測定の様子

  

■開発の背景
当社は、リチウムイオン電池 (LIB) のセル・モジュール・パックの製造の各工程における検査装置を数多く提供しています。中でもインピーダンス計測器 (バッテリーテスター)を中心とするいくつかの製品は業界におけるデファクトスタンダード機となっており、LIB実用化の草創期から今日に至るまで業界の品質検査をリードしてきました。また最近では、製造工程や新品の検査工程のみならず、市場で運用中および運用後の劣化したLIB を対象とした検査技術についても開発を進めております。

近年、全世界的に自動車の電動化が強力に推し進められています。脱炭素を軸とした経済成長戦略を実現するためには、単に自動車の動力源をLIB とするだけでは不十分であり、資源循環システムの効率化や適切なバリューチェーンの確立が不可欠です。EV に搭載されたバッテリーパックが保持している性能を把握することは、LIB のバリューチェーンの構築にあたって大きな役割を担います。そのため、EV の性能検査、中古EV の価値査定、自動車フリートマネジメント※などの場面において、第三者によるバッテリーパックの状態検査技術が求められています。

ところが、EV に搭載されたバッテリーパックの状態に関する情報は、基本的にはEV に搭載されたコントローラーで管理されており、第三者による状態検査は困難です。 CAN バスなどの車内通信網に流れているLIB に関する情報に第三者がアクセスして診断を実施することも可能ですが、その場合も診断元となるデータはEV 自身が取得したものであり、完全に第三者によって行われた診断であるとは言えません。

このような状況を受け当社は、長年培ってきたインピーダンス計測技術を活用して、EVやPHEV の急速充電口を通じて、車に搭載されているバッテリーパックの特性を簡便に計測する技術を開発いたしました。

※フリートマネジメント:法人企業や団体が持つ社用車や事業用車両を適切に管理し、運行管理を行うこと

■主な用途
・ 中古EV の性能判断、価値査定
・ EV の整備時におけるバッテリーパックの状態検査
・ 効率的なEV フリートマネジメントのためのバッテリーパックの状態検査

本技術により、車に搭載されている状態とされていない状態とで、バッテリーパックに対して全く同じ測定手法を適用できるようになります。車載前、車載状態、取り外し後のリユース・リビルド、といった各フェーズにおける電池状態のトレーサビリティーの向上に貢献します。
HIOKI は、様々な業界のステークホルダーの皆さまと協力して、本技術の活用による社会課題の解決を目指します。

  


  

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