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SABICの高度なエンプラ技術がインド初のフェンダー樹脂化を実現【SABIC】

2012年8月23日

SABICイノベーティブプラスチックスは、インドの自動車メーカー、マヒンドラ&マヒンドラ社が、部品メーカーのプラスチックオムニウムの協力を受け、インド初の射出成形による樹脂フェンダーを採用したと明らかにした。同フェンダーは、非常に高い評価を受ける世界市場向けのSUV(多目的スポーツ車)「XUV500」に装備された。スチールに代わり、軽量でオンライン塗装が可能なNoryl GTX*樹脂を使用することで、XUV500の燃費を向上し、排気ガスを低減、デザインの自由度を大幅に高め、さらに軽衝突における復元性を向上させるというマヒンドラ&マヒンドラ社のニーズに貢献している。Noryl GTX樹脂のフェンダーへの採用は、世界戦略車であるXUV500をクラス最軽量のSUVにする一助となっている。今回の協業は、高付加価値化のための先進のスタイリングと、軽量化によるサステナビリティ向上を実現するために、高性能エンプラ材料ソリューションを自動車業界のお客様に提供するという、SABICの取り組みを示すものである。

インド初の射出成形による樹脂フェンダーを実現するために、マヒンドラ&マヒンドラ社は、世界の自動車産業における実績を踏まえてSABICに協力を求めた。SABICは材料のNoryl GTX樹脂に加えて部品開発のサポートも提供し、同社が求める超軽量で、オンライン塗装に対応し、寸法品質と低速での耐衝撃性に優れた部品開発のニーズを充たすのに貢献した。同時にNoryl GTX樹脂は、強調された曲面とメリハリのある輪郭で、XUV500のチーターを思わせるスタイリングにマッチする、大胆に張り出したフェンダーの造形を可能にした。

SABICのイノベーティブプラスチックス自動車部門のV. ウママヘスワラン マーケティング担当ディレクターは語る。「マヒンドラ&マヒンドラ社はインドのトップSUVメーカーであり、これまで数々の画期的なSUVを発表してきました。XUV500は同社の新たな一歩となるものです。SABICは、この素晴らしい車の大幅な軽量化目標達成に重要な役割を果たせたこと、そしてマヒンドラ&マヒンドラ社が挑む世界最軽量のSUV開発という目標に、一歩近づくのに貢献できたことを光栄に思っています。SABICの幅広い材料ポートフォリオと技術支援による総合サポートは、自動車メーカーと部品メーカーによるこの挑戦を支えています。」

消費者のニーズがインド初のプラスチック製フェンダーにつながる

様々な自動車用途における軽量化に最も大きく貢献するのは、樹脂による金属代替である。このことからマヒンドラ&マヒンドラ社は、世界市場向けSUV XUV500のフェンダーをスチールからNoryl GTX樹脂に置き換えた。このSABIC樹脂は、鉄より最大50%の部品軽量化が可能であり、フェンダー重量を0.9 kg(1.98 lbs)低減した。これは27%の軽量化に相当する。

また同樹脂は、マヒンドラ&マヒンドラ社が優れた外観品質、力強いスタイリング、軽衝突に対する高い耐衝撃強度や耐食性に対する顧客ニーズを充たすことにも貢献した。スチールよりも高いNoryl GTX樹脂の復元力は、毎日の運転において、XUV500のフェンダーが変形することで衝突エネルギーを吸収、元の形に復元し、また修理コストを低減できる。さらにNoryl GTX樹脂がもたらすデザインの柔軟性は、スチール製フェンダーを製造するために必要ないくつかの製造工程、金型や作業を不要にする。

マヒンドラ&マヒンドラ社は、更に高品質の大型部品成形において重要な要件となる、Noryl GTX樹脂の高い溶融流動性を活かしている。またオンライン塗装が実現できる高い耐熱性により、フェンダーを車体と一緒に塗装でき、材料固有の導電性が導電プライマー処理を不要にする。

Noryl GTX樹脂の技術

Noryl GTX樹脂はポリアミド(PA)と変性ポリフェニレンエーテル(MPPE)樹脂技術を融合したもので、MPPEの持つ優れた寸法安定性、低吸水率、耐熱性にPAの耐薬品性と流動性を併せ持っている。その結果、オンライン塗装に必要な高い剛性、耐衝撃性、高い耐熱性に加え、非常に高い耐薬品性を持つ材料となっている。

SABICは、多くの重要なメリットを提供できる導電性Noryl GTX樹脂をさらに改良することで、優れた次世代アプリケーション開発を推進している。それには従来のグレードよりも熱膨張率(CTE)を20〜40%削減して、寸法安定性を高め、面差と隙の管理を容易にしたグレードが含まれ、自動車設計者に高いデザイン自由度を与え、従来よりも大型で高品質かつ精密な外板部品の開発を可能にしている。またこの素材は、より高温化するオンライン塗装システムなどの既存の生産工程にも適応できる。より大きく複雑な形状を持ったフェンダーやその他の外装パネルにNoryl GTX樹脂を使用することで、車両をより軽量化し、燃費と排気ガスの削減に大きく貢献できる。

SABIC樹脂の自動車用アプリケーションに関する詳細はwww.sabic-ip.comをご覧ください。技術関連のお問い合わせに関しては、次のサイトからご連絡ください。www.sabic-ip.com/prtechinquiry



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