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新世代排ガス測定装置「MEXA-ONE」8月受注開始【堀場製作所】

2012年5月24日

排ガス計測・試験機器のシステム統合へ 自動車事業の総力強化
中国・インドにも本格展開 自動車事業で2015年に売上高460億円


当社は、自動車開発などで使用されるエンジン排ガス測定装置の新型「MEXA-ONE」を8月に受注を開始します。世界シェア80%(*1)を占める既存製品の高精度計測を継承し、試験やメンテナンスにかかる時間やコストを従来比最大30%軽減。ハイブリッド車など車両全体を精密に制御する車両開発に対応するため、自動車試験評価装置(*2)と排ガス計測機器をひとつの機器であるかのように、同じ操作画面で運用・管理できる新システム(*3)を導入する計画です。また、日米欧市場と同様に、高度な計測ニーズが高まりつつある中国やインドでも事業展開を加速させます。自動車事業で2015年に売上高460億円(2011年実績386億円)達成をめざします。

自動車産業の動向

地球環境問題への意識向上とともに、自動車をはじめ様々な内燃機関からの排ガスを、よりきれいに、より少なくしようとする動きが全世界で高まっています。それに伴い、当社が携わる排ガス測定分野においても、対象や項目、測定手法が多様化・高度化しています。一方で、ハイブリッド車など低燃費車の普及、欧州を中心とするエンジンの小型化、中国やインドでの現地仕様車や排ガス規制導入など、排ガス測定に対する市場要求は確実に多様化・複雑化しています。中期的に主力となり得るハイブリッド車は、エンジン開発に留まらず、エンジンと電気モーターの動力バランスの効率的なコントロールが重要な要素になっています。また、自動車メーカーでは開発期間の短縮やコスト削減が重要視されてきています。

自動車計測システム事業について

1964年のMEXA第1号機の誕生以来、当社はエンジン排ガス測定分野のパイオニアとして、自動車開発の要求に応じた最新の技術をグローバルに提供してきました。世界の国家認証機関や主要自動車メーカーで採用され、性能とサービス面の信頼性により世界シェア80%を占め、デファクトスタンダードの地位を築いてきました。このたび、分析計そのものを新規設計・改良したことや自動再生フィルタを採用した事で、試験やメンテナンスにかかる時間やコストを従来比最大30%軽減。また、1台の測定装置で、排ガス浄化装置の前後5ヶ所から同時にNOxを測定できる機能を標準搭載し、追加ユニットも併設すれば最大16ヶ所のNOx同時測定も可能となり、多様化するディーゼルエンジンの開発期間の短縮や実験室の省設備化に貢献します。
さらに、2005年から事業展開しているエンジンダイナモメーターや駆動系テスト装置などの自動車試験評価装置と排ガス計測機器との連携を強化。実験室に並ぶ試験・計測機器が、ひとつの機器のように操作できるシステムを構築し、操作性を向上させることで、開発効率の改善にも貢献します。

製品の特長

1. 実験室内の計測・試験機器をまるごと一括管理する新システム
優れた汎用性により、あらゆる排ガス計測機器や自動車試験装置を一括管理。各種機器の起動から終了までの一連の操作や日常的なメンテナンス管理が可能。

2. 試験やメンテナンスにかかる時間やコストを従来比最大30%軽減
分析計を新規設計・改良したことや、自動でフィルタの汚れを除去する機能を採用した事で、校正ガスを従来比30%、消費電力を同10%それぞれ削減。維持管理にかかるコストを軽減。

3. 触媒評価を世界最多の5ヶ所から測定する機能を標準搭載
ディーゼルエンジン開発における触媒装置の評価ニーズに対応。1台の測定装置で、同時に多くの触媒効果を評価でき、開発期間の短縮に貢献します。触媒評価を行う測定装置では、1台当たり世界最多5ヶ所のNOx(窒素酸化物)を測定する機能を標準搭載。 さらに追加ユニットにより、16ヶ所の同時測定も可能。

製品概要

外寸法

本体 660(W)×855(D)×1970(H) mm

測定成分 一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、炭化水素、窒素酸化物、メタンなど
測定原理 非分散型赤外線分析、水素炎イオン化法、化学発光法
本体機能 サンプリング、分析、校正ガス供給、システムコントロールなど
オプション EGR率計測ユニット、加熱フィルタなど
用途 エンジン研究開発/認証試験/触媒評価試験/エコカー排ガス計測/低排出ガス車排ガス計測/燃料電池開発
顧客 主要自動車メーカー、公官庁、触媒装置メーカーなど

用語解説

(*1) 世界シェア80%
自社調べ。(2012年5月現在)

(*2) 自動車試験評価装置
2005年にドイツのカールシェンク社から事業買収し本格参入。自動車のエンジンダイナモメーターやブレーキテストシステムなど、自動車の動力試験評価装置をラインアップ。現在、本国ドイツ以外にチェコ・中国での現地生産を行うなど、事業効率を高め、収益性の向上を推進する。

(*3) 新システム
各種計測機器のソフト面を統合する。新システム”統合計測プラットフォーム”を標準搭載する機器のラインアップを拡充する計画。


こちらに掲載されている内容は報道発表日時点の情報です。


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