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EV・HV搭載機器向け「大電力対応シロキサン暴露試験サービス」開始【OKI】

2020年11月9日

EV・HV搭載機器向け「大電力対応シロキサン暴露試験サービス」開始
顧客機器仕様に合わせたオリジナル自動打鍵試験機製作にも対応

OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリング(社長:橋本 雅明、本社:東京都練馬区、以下OEG)は、EV(電気自動車)・HV(ハイブリッド車)に搭載する電子機器を対象とした「大電力対応シロキサン(注1)暴露試験サービス」を、11月10日から開始します。電装品や車載機器メーカーの製品開発を支援し、今年度1,000万円の売り上げを目指します。

シロキサン(低分子シロキサン)は、車載ケーブルの被覆、耐熱ホースなど電装品の接続用部品に使用されるシリコーン(注2)に含まれる有機化合物です。常温・常圧でも気化するため、電装品のスイッチやリレーの接点部分で酸化分解され、絶縁被膜を生成して導通不良を起こし、その結果、ブレーキランプが点灯しない、ブレーキを踏んだことをスイッチが認識せずエンジンが始動しないなど、車両への影響を及ぼすことがあります。シリコーンは、電装品のほか車内外の清掃に使うワックスや撥水剤、つや出し剤、エアバックコーティング、さらには整髪剤、洗濯用柔軟剤などにも使用されているため、搭乗者が車内に持ち込んだシリコーンが車両に影響を及ぼす場合もあります。

OEGは、このシロキサン問題に早くから対応し、2008年からシロキサンに関する分析・解析サービスを、また2013年から「シロキサン暴露試験」のサービスを提供しています。シロキサン暴露試験とは、一定のシロキサン濃度環境下でリレーやモーターに通電し、実環境と同じ電圧、電流を流してスイッチのオンオフを繰り返し行い、機器内部の接点部分の酸化分解による動作不良の発生有無を確認する試験です。

近年、環境への配慮からEV・HVなど電動車へのシフトが進んだことに伴い車載機器の大電力化が進み、シロキサン暴露試験においても大電力に対応した環境が必要になっています。OEGでは、従来12ボルトと24ボルトの電圧で試験を行ってきましたが、このたび最大800ボルトの高電圧が供給できる試験設備を導入し「大電力対応シロキサン暴露試験」の環境を整えました。

また、シロキサン暴露試験には、人の入れない密閉された空間で、実際に機器を動作させるためにスイッチを打鍵して試験を行うものもあります。この場合、試験対象機器に合わせてスイッチの個数、位置、押す力、押す回数、押している時間、離している時間、押すスピード、押す角度などを設定した、自動打鍵試験装置が必要になります。OEGでは、お客様の仕様に合わせたオリジナルの自動打鍵治具・装置を自社で製作し、さまざまな車載機器の試験に対応します。

OEGは今後も、さらに試験技術の向上や設備の充実を図り、お客様の製品の開発・製造・販売を支援していきます。

シロキサン暴露試験スペック
試験濃度  0.1~500ppm(環状シロキサン4量体の場合)
試験温度  -10~70℃(試験内容による)
試験湿度  0~90%RH(試験温度による)
試験電圧  ~800V

販売計画
標準価格       個別見積
販売目標       年間1,000万円
サービス提供開始時期 2020年11月10日

用語解説
注1:シロキサン
ケイ素と酸素を分子骨格に持つ、ケイ酸有機化合物のこと。低分子量のシロキサンは常温・常圧で気化する。

注2:シリコーン
ケイ素をもとにつくり出された人工の化合物でシロキサン結合に有機基がついたオルガノポリシロキサンをベースとした材料のこと。耐熱性、耐候性、化学的安定性、はっ水性などの特性を持っている。

リリース関連リンク
「低分子シロキサン分析」紹介サイト
「シリコーンガス試験」紹介サイト
「大電力対応シロキサン暴露試験」紹介サイト
オリジナル自動打鍵試験機試験の様子

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