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大電流「アモルファスコア」を商品化 【NTN】

2012年6月27日

射出成形により、設計の自由度が高い大電流対応コア


NTN㈱(以下、NTN)は、アモルファス*1粉末と樹脂を混ぜ合わせた磁性材料を射出成形し、大電流に対応可能な「アモルファスコア」を商品化しました。

一般にリアクトル*2やチョークコイル*3のコア部品は、磁性材料のフェライト*4をプレス成形して使用されます。しかし、近年電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、太陽光発電等の蓄電設備に搭載されるリアクトルや、高機能化が進む医療機器に使用されるチョークコイルには大電流、高駆動周波数など、厳しい環境で高い信頼性が求められ、従来のフェライトを用いたコアでは対応が困難になってきております。

「アモルファスコア」は、NTNのグループ会社である日本科学冶金株式会社*5が開発したもので、直流重畳(ちょうじょう)特性*6において、大電流下でインダクタンス*7の低下率はわずか30%を実現しました。また、1000kHzの高周波帯域においてもインダクタンスの低下は見られず、電気信号ノイズを高効率に低減する信頼性の高いコアです。

さらに、本コアは射出成形が可能なことから形状の自由度が高く、多様なコイル形状や大型化のニーズにも対応が可能です。従来のフェライト製チョークコイルと比較した場合、容積を約1/8まで小型化可能で、装置の小型・軽量設計に貢献します。

「アモルファスコア」は、既に一部用途に採用されていますが、NTNの複合材料商品事業における主力商品の一つとして、引き続き、グローバルで各種用途に向けた市場展開を行ってまいります。


*1 : 原子や分子が不規則に密集している物質の状態。
*2 : コイルを利用した受動素子(供給された電力を消費・蓄積・放出する素子)。インバータの入力または出力側の交流回路に設置する。
*3 : 高周波電流の電流通過を抑制するための電子部品の一つ。
*4 : 酸化鉄を一成分とする複合材料酸化物で、磁性材料に使われる。
*5 : 2011年9月NTNグループに加わる。焼結合金や精密樹脂などの複合材料開発や、高い金型・成形技術を有する。
*6 : 電流を加えたときの特性値の変動。
*7 : ある回路を貫く磁束とその磁束を生じさせていている電流との比。誘導係数、誘電子ともいう。

特長

(1) 大電流・高駆動周波数
→ アモルファス粉末と樹脂の磁性材料で、大電流対応かつ高周波帯域でも低損失

(2) コア形状の設計自由度が高い
→ 独自の樹脂配合の射出成形により、多様なコイル形状や大型化にも対応

(3) 小型・軽量
→ フェライト製に対し、約1/8の容積(チョークコイル適用例)

用途

EV・HEV用や太陽光等の発電設備用リアクトル、蓄電装置や医療機器等のチョークコイル

問合せ先

複合材料商品事業部 営業技術部  TEL. 0567-40-5932

商品写真

チョークコイル適用例

磁気特性


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