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「Industrial Cloud」の開発を加速 【フォルクスワーゲン グループ ジャパン】

2020年5月7日

•2020年末までにはフォルクスワーゲングループの18の生産拠点が統合される予定
•フォルクスワーゲングループ生産責任者ゲルドヴァルカー:
 「IndustrialCloudは、工場の生産性を30%高めるための重要な手段となる」
•フォルクスワーゲングループエンタープライズ&プラットフォームアーキテクチャー
 責任者ロイザウアー:「作業は順調に進んでおり、そのペースを更に速めています」
•「IndustrialCloud」の開発が最終段階に達した場合、数十億ユーロのコスト削減効果が見込まれる

2020年4月29日、ウォルフスブルグ―フォルクスワーゲングループは、同社の工場を「VolkswagenIndustrialCloud(フォルクスワーゲンインダストリアルクラウド)」に統合する作業を進めています。その目的は、工場の効率をさらに高め、生産コストを削減することです。最初の3つの工場は、2019年にすでに統合されました。「2020年には、さらに15の工場をクラウドに統合する予定です」と、フォルクスワーゲングループ生産責任者のゲルドヴァルカーは述べています。コロナウイルス危機により生産が停止している間も、プロジェクトの作業はずっと継続されていました。「作業は順調に進んでおり、現在は大幅にペースを速めています」と、フォルクスワーゲングループエンタープライズ&プラットフォームアーキテクチャー責任者のロイザウアーは述べています。フォルクスワーゲンは、2016年から2025年にかけて、工場の生産性を30%向上させることを目指しており、「IndustrialCloudは、この目標を達成するための重要な手段になるでしょう」と、ヴァルカーはコメントしています。フォルクスワーゲングループは、124の工場のすべてのデータを標準化された方法で評価できるようになれば、合計で数十億ユーロのコスト削減効果が得られると予測しています。「IndustrialCloud」はAmazonWebServices(AWS)上に構築されており、シーメンスが統合パートナーとなっています。

フォルクスワーゲン グループは、「Volkswagen Industrial Cloud」への工場の統合を加速させている

フォルクスワーゲングループは2019年に初期計画の通り、フォルクスワーゲン乗用車ブランドのケムニッツ、ウォルフスブルグ、ポルコビツェ(ポーランド)の工場から統合に着手しました。「私たちは現在、ペースを速め、IndustrialCloudを数多くの工場に導入しようとしています」と、ヴァルカーは説明しています。今年は、アウディ、セアト、シュコダ、フォルクスワーゲン乗用車、フォルクスワーゲン商用車、ポルシェ、フォルクスワーゲングループコンポーネンツの各工場のうち、最大で15工場が接続される予定です。これらの工場には、ブラウンシュヴァイク、エムデン、ハノーバー、インゴルシュタット、カッセル、ライプツィヒ、ネッカーズルム、ザルツギッター、ツフェンハウゼン、ツヴィッカウ(すべてドイツ)、マルトレル(スペイン)、パルメラ(ポルトガル)、ジェール(ハンガリー)、ムラダーボレスラフおよびヴルフラビー(チェコ共和国)の工場が含まれます。

「今年に入り、数多くのフォルクスワーゲン生産施設でIndustrialCloudの開発と拡大が急速に進んでいることを嬉しく思います」と、AmazonWebServices(AWS)、AWSIoT担当副社長のダークディダスケロゥは述べています。「AWS上で共同開発している機能は、各工場のデータをコスト効率よく、そして標準化された形でIndustrialCloudに集めて整理することを可能とします。それによって、フォルクスワーゲンの生産および物流プロセスのさらなる効率化につながるアプリケーションをより迅速に提供することができます。」

標準化によるコスト削減
 フォルクスワーゲングループは、最初のステップとして、15ほどのアプリケーションを定義し、標準化されたアプリとしてすべての工場に利用可能にしておきました。その主な焦点は、人工知能(AI)を利用して生産機械の予測的なメンテナンスの実施に加え、車両のリワークを削減することです。最初の15のアプリケーションの実用化だけでも、2025年末までに約2億ユーロのコスト削減効果が見込まれています。

クラウド上に集められた数十万台の機械データ
 「BrownField(ブラウンフィールド)」と呼ばれるこのアプローチでは、工場に設置されている数十万台の機械および工場内装置のデータがセンサーにより記録され、クラウド上の標準化されたアプリケーションによって分析されます。それぞれの機械、装置、システムは手動で接続されます。年式の古い機械の一部は、センサーの取り付けも必要になります。開発の最終段階では、毎日処理される情報の総量は、ドイツの小さな町のデータ量に匹敵します。「フォルクスワーゲングループは、このデータから効率を高めるための方法を導き出すノウハウを持っており、その専門知識を大幅に拡大しています」と、ザウアーは述べています。現在、グループ内の220人の専門家がこのプロジェクトに取り組んでおり、その人数は2020年末までに約500人に増加する予定です。

フォルクスワーゲンの「IndustrialCloud」をインダストリアルパートナーネットワークに
 フォルクスワーゲンによって現在開発されているソリューションおよびアプリケーションは、オープンエコシステム内の他の企業でも利用可能になる予定です。これらのアプリケーションの開発作業は、他の企業と一緒に進められます。アプリケーションを利用するのは、自動車分野だけに限定されていません。様々な分野における複数のパートナー企業との話し合いは、既にかなり進んだ段階にあります。参加企業は、共同利用と開発により、プラットフォームやサービスを自社開発することなく、システム内でのシナジーを活用するという大きな利点を得ることができます。








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