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天然ゴム資源「ロシアタンポポ」の研究活動を加速【ブリヂストン】

2012年5月17日

“天然ゴム供給源の多様化へ”
天然ゴム資源「ロシアタンポポ」の研究活動を加速
「100%サステナブルマテリアル化の実現に向けて」

㈱ブリヂストンは、当社グループとしてタイヤの主要原料の中で大きなウェイトを占めるパラゴムノキ由来の天然ゴムに代わるあらたな天然ゴム資源を探っておりますが、その1つとして、2010年よりBridgestone Americas Tire Operations(以下、BATO)が米国オハイオ州の産学連携コンソーシアム「PENRA※1」に参加し進めていた、「ロシアタンポポ※2」由来の天然ゴムに関する研究において、このたび従来の天然ゴムと同等の性質が確認されたため、今後、BATOにおいて実用化に向けた研究活動を加速します※3

世界の自動車保有台数の増加に伴い、タイヤ需要の拡大が見込まれる中、「持続可能な」社会を構築するために、資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大に寄与する技術やビジネスモデルの開発を推進していくことが、当社グループの責務であると考えています。

当社グループは、今回、新たにタイヤ用途として十分に通用する天然ゴムを「ロシアタンポポ」から採り出すことに成功しました。
今後、当社グループは「PENRA」と協力して引き続き積極的な研究活動を進め、今夏には「PENRA」のパイロット施設より得られる天然ゴムを独自に試験して確認を進めるとともに、2014年には同プロジェクトが予定する収穫の拡大に基づいて、タイヤテストを含めた拡大試験を行う予定です。
「ロシアタンポポ」由来の天然ゴムは従来の天然ゴムと同様、植物が生み出すバイオマテリアルですが、「ロシアタンポポ」は従来のパラゴムノキとは全く異なる気候条件の土地で栽培されます。実用化が可能になれば原材料供給源の多様化につながり、現在の天然ゴム産出地域への一極集中の緩和につながると共に、北米での地域生産地域消費によるメリットも期待されます。

当社グループは、「ロシアタンポポ」を始めとした様々なバイオマテリアルの研究開発を通じて、地球上の資源を有効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前提としながら、あらたに投入する資源はサステナブルであるべきと考え、タイヤの原料を「100%サステナブルマテリアル化」することを目指していきます。その内容につきましては資源循環技術搭載のプロトタイプタイヤなど順次発表し、当社グループの取り組みを紹介してまいります。

※1 オハイオ州政府の助成事業である域内農業産品による産業競争力強化プロジェクト
PENRAはThe Program of Excellence in Natural Rubber Alternativesの略
PENRAはオハイオ州立大学のオハイオ農業研究開発センター(OARDC)を母体とするコンソーシアムであり、オハイオ州から助成金を受けています。
※2 一般的なタンポポとは全く異なる植物。カザフスタンおよびウズベキスタン原産の多年草で、その根部に天然ゴムを含んでいる植物です。
※3 BATOにおいては、「グアユール※4」から天然ゴムを採り出す技術も開発中です。
※4 米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産の低木で、その幹部などに天然ゴムを含んでいる植物です。

関連リンク

CSRページ:循環型社会の実現に向けて
2012年3月8日ニュースリリース:天然ゴム資源「グアユール」の研究活動を開始

2006年11月「中期経営に関する基本的な考え方」発表後の主な対外発表の位置付け

2011年以前の対外発表は除いています。


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