ニュース

ANSYS 2019 R2、設計からエンジニアリング、製造までの デジタルスレッドを強化【アンシス・ジャパン】

2019年5月9日

ANSYS 2019 R2、設計からエンジニアリング、製造までの デジタルスレッドを強化
ANSYSの最新リリースは、あらゆる業界で デジタルトランスフォーメーションを加速させる

ピッツバーグ、2019年6月4日 – ANSYS(NASDAQ:ANSS)は、今回リリースされたANSYS 2019 R2で提供される新しい機能を通じて、製品コンセプトの着想から設計、製造、そして運用に至るまでの製品ライフサイクルを加速化、効率化、そして簡素化させます。革新的な新しいANSYS(R) Mechanical(TM)ユーザーエクスペリエンス、複雑なエレクトロニクスの簡素化されたシミュレーション、質の悪い形状のメッシュ生成を大幅にスピードアップさせるANSYS(R) Fluent(TM)の新しいワークフローにより、Pervasive Engineering Simulation(エンジニアリングシミュレーションの活用拡大)を目指すANSYSのソリューションは、革新的な製品をより迅速に市場に投入するためのデジタルトランスフォーメーションを実現します。

SPEOSプログレッシブレンダリング

デジタルトランスフォーメーションは、あらゆる業界に影響を及ぼしています。画期的なデジタル技術を活用することで、製品開発サイクルのどの工程においてもハードウェア開発者とソフトウェア開発者が協業できるようになり、製品化までの期間は大幅に短縮されます。ANSYS 2019 R2で新たに提供される機能や、先ごろ買収契約を締結したGranta Design社から提供される構造解析向けの新しい材料機能により、ANSYSのシミュレーションソリューションはコラボレーション、妥当性確認、そして検証を加速化させ、あらゆるオペレーションをつなぐ信頼性の高いデジタルスレッドを構築します。

「設計、エンジニアリング、製造のプラクティスは物凄いスピードで変化しています。かつてない速さで最先端の製品をお客様に届けるために、多くの組織がシミュレーションとプロセスのデジタル化に力を入れています。ANSYS 2019 R2では、これまでよりも短い時間に多くのマルチフィジックスシミュレーションを実行できます。このリリースでシミュレーションは自動化され、操作性も向上しています。」(ANSYS、エレクトロニクス、流体解析、および構造解析ビジネスユニット担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー、Shane Emswiler)

ANSYS 2019 R2リリースのハイライト:
■ANSYS Mechanicalでの新しいユーザーエクスペリエンスと機能
ANSYS 2019 R2のリリースとDfR Solutions社の買収を通じて、業界をリードするANSYS Mechanicalは操作性と生産性の面でも強化されました。ANSYS 2019 R2では、ANSYS Mechanicalのユーザーインターフェースが新しくなり、操作に慣れて習得するまでの時間が短縮されることでエンジニアの生産性向上につながります。この改善されたインターフェースとしては、操作性の向上、カスタマイズ関連項目、高速検索、および起動ツールといった新機能が提供されます。

DfR Solutions社のSherlockがANSYSのポートフォリオに加わることで、エレクトロニクスの信頼性を高めるエンドツーエンドのターンキーソリューションが提供されます。

「先日締結されたDfR Solutions社との買収契約により、エレクトロニクス製品向けの機械的信頼性にフォーカスした使いやすいソリューションが提供されます。以前であれば数週間かかっていた電子製品のCADアセンブリでも、1時間もかからずにアセンブリから解析まで完了できるようになります。」(Viasat Reliability Engineering社、マネージャー、Jim Hunter氏)

こうした新しいインターフェースや買収の他にも、2019 R2では新しい機能がいくつか追加されました。強化されたSMART亀裂進展モデリングは、結果形状の準備時間を短縮する新しいトポロジー最適化手法であり、デジタルスレッドも短くなります。また、主に石油およびガス分野の構造物や工業用重機モデル向けの機能として、シェルおよびビームモデル用にメッシュベースのバッチ接続機能も追加されています。

「ANSYSのメッシュベース接続機能を活用することで、以前は不可能であったモデルや複雑な形状に対してメッシュ生成が可能になります。このメッシュベース接続技術によって、モデルは自動的に検出され、意図したとおりに接続されるため、これまでのようにジョイントのエッジがフェース上で形状的に正しく形成されているかを何日もかけて確認する必要がなくなります。これまでメッシュ生成されたモデルと比較して、あらゆる数値からメッシュ品質は向上していることが確認されました。当社が掲げる責任をもってエネルギー資源を掘削するというミッションを実現できるかどうかは、社内エンジニアリングチームがお客様のニーズや環境ニーズに迅速に対応できるかにかかっています。この新しいメッシュ生成技術は、非常に面倒な形状操作にかかる時間を短縮するだけでなく、迅速な対応が求められるFEAタスクも加速化します。」(Diamond Offshore Drilling社、主席構造エンジニア、Wu Zhu氏)

■新しい材料機能
Granta Design社の買収により、ANSYS 2019 R2では600種類を超える材料データがANSYS Mechanicalに組み込まれました。材料特性の検索に要する時間が短縮されることで、モデルのセットアップもスピードアップします。ANSYS GRANTA Materials Data for Simulationデータパッケージは幅広い材料タイプをカバーしており、構造解析に必要な主要データへのアクセスも容易です。

■複雑なエレクトロニクスのシミュレーションを可能にする強力な新ツール
エレクトロニクスおよび電磁界スイートでは、エンジニアが複雑な設計で直面する課題に対応するための重要な新機能がいくつか提供されます。ANSYS(R) HFSS(TM) SBR+での加速ドップラー処理により、自律走行車両やその他の近距離場レーダー検知システムに関連したADASレーダーシナリオのモデル化は、これまでの100倍ほど高速になります。

ANSYS 2019 R2では、TAU Flexメッシュ生成機能も新たに追加されました。これは、設計サイクルの早い段階で設計トレンド情報をユーザーが効率的に得るための新しい強力なメッシュ生成機能です。ANSYS HFフローにEMITが統合されたことで、アンテナ、RFトランシーバー、デジタルデータソース、およびセンサーを搭載したスマートフォン、タブレット、ワイヤレス製品を設計するエンジニアに課せられる重大な問題の1つであるRF感度低下をシミュレーションできる新しい機能が提供されます。

さらに、パートナーであるModelithics社とのコラボレーションにより、5Gおよびワイヤレス通信システムを設計するための新しいHFSS 3Dコンポーネントモデルのライブラリーも追加されました。

■エレクトロニクススイートに追加されたANSYS Cloud
ANSYS Cloudにより、ANSYSの構造、流体、エレクトロニクスの各製品スイート内から、クラウドベースのハイパフォーマンスコンピューティングへの直接的かつ瞬時のアクセスが可能になります。企業規模にかかわらず、ほぼ無限のコンピューティングリソースと、大量の製品パフォーマンスデータをもって自社のデジタルトランスフォーメーション戦略を加速しつつ、製品化までの時間を短縮できるようになります。2019 R2からは、ANSYS(R) Electronics Desktop(TM)からオンデマンドでクラウドに直接アクセスできるようになったことで、すでにANSYS(R) HFSS(TM)およびANSYS(R) SIwave(TM)を使用しているお客様は、自社のコンピューティングリソース容量では不可能な高速で分散されたシミュレーションを今すぐに利用でき、より忠実度の高いモデルやより多くの設計バリエーションの解析を行えるようになります。

■質の悪い形状のメッシュ生成をスピードアップする新しい流体ワークフロー
ANSYSの流体スイートでは、デジタルトランスフォーメーションを加速させる新たなFluentエクスペリエンスが強化および拡張されたことで、これまでになく短いトレーニング期間、作用時間で、より多くの数値流体力学(CFD)解析を行えるようになります。この新しいタスクベースのフォールトトラレントなワークフローでは、スクリプトやポップアップなしに、これまでの2倍の速度で質の悪い非水密形状に対するメッシュを生成します。これまでは、数日あるいは数週間も要していた複雑なモデルも、数時間でメッシュが生成できるようになりました。

ANSYS 2019 R2では、精度を犠牲にすることなく、燃焼シミュレーションをさらにスピードアップできる新しい機能も加わりました。ベンチマーク例では、以前の手法よりも36%少ない化学種によるメカニズムに簡略化できました。並列パフォーマンスのゲインは、噴霧、化学反応、火炎伝播の物理場を含むフルサイクル内燃機関シミュレーションを2倍にスピードアップします。

さらに、新しいハイブリッドメッシュ生成機能は、複雑なタービンブレードモデル全体のメッシュ生成に要する手動の作業時間を節約します。

■Live Previewを備えた新しいSPEOS
新しいANSYS SPEOSでは、直感的かつ包括的なユーザーインターフェースを提供する様々な機能が統合されています。ANSYSマルチフィジックスエコシステム上でGPUベースのシミュレーションプレビューを計算することで、生産性を向上させることができます。この新しいANSYS SPEOSは、CAD経験の浅いエンジニアにも操作しやすく、高速な反復設計の可能性も広がります。

新しいSPEOS Live Previewでは、ユーザーはSPEOSシミュレーションモデルのインタラクティブバージョンでの探索が可能になり、その結果を直ちにANSYS VRXPERIENCEでダイレクトに得ることができます。

「当社では、品質の高いヘッドアップディスプレイシステムを開発するために、多岐にわたる設計に対して、極めて複雑な光学性能と構造性能を同時に評価することが求められています。ANSYS SPEOSを導入したことで、多数のシナリオを迅速にテストして最適なHUD構成を決定でき、さらに開発時間も短縮できました。」(Hyundai Mobis社、主席リサーチエンジニア、Kihyuk Song氏)

■ANSYS VRXPERIENCEの革新的な新機能
新しいANSYS VRXPERIENCE Soundでは、録音またはCAEからの音を確認して、それを修正するだけで、製品のブランドイメージとサウンドの品質を改善できます。ANSYS VRXPERIENCE Soundは、音響解析、音響品質の測定、3D再生向けの総合的なソリューションである高度なソフトウェアで、このリリースからANSYS Mechanicalにつながりました。

ANSYS VRXPERIENCE HMIおよびANSYS VRXPERIENCE Perceived Qualityでは、ANSYS 2019 R2リリースからフィンガートラッキングを介してオブジェクトのアニメーションや照明の手法をより簡単に定義できるようになりました。動的およびインタラクティブなプロジェクトも短時間で作成できます。また、アニメーションの作成やバーチャルのプロトタイプでの実験も容易です。

■包括的なドライビングシミュレーションプラットフォーム
ANSYS 2019 R2では、新しい包括的なドライビングシミュレーションプラットフォームである、SCANeR(TM)を採用したANSYS VRXPERIENCEドライビングシミュレータにより、閉ループのADASおよびAVテストシナリオの高度なシミュレーションを提供します。ANSYS VRXPERIENCEに直接接続することで、ユーザーはシナリオを仮想的にテストできます。

SCANeRを採用したANSYS VRXPERIENCEドライビングシミュレータでは、イベント、周囲の交通環境および車両力学、さらには包括的で精度の高いマルチボディ車両力学を含む高度なシナリオを準備してシミュレーションを実行できます。デジタルフレームワークの中で自動運転システムをテストすることで、実機試験を削減して、製品化までの時間を短縮できます。

■安全性のテストと分析の合理化
ANSYS(R) medini analyzeおよびSCADE(R)ファミリーでは、ユーザーの組込みシステムおよびソフトウェアアプリケーションのデジタルセーフティを確保するための新機能が提供されます。新しいANSYS(R) SCADE(R) Test(TM) Model Coverageでは、モデルからコードへのカバレッジにより、構造カバレッジの達成に対してテスト作業を分割できます。組込みソフトウェアの製品としては珍しく、モデルからコードへのカバレッジ測定は1回の実行、1回の取得、1レベルの正当化、そして1回のレビューのみで済ませることができ、以前のバージョンと比べて10倍ほど高速化されています。
SCADE Suite(R)向けのANSYS SCADE Testは、DO-178Cの規格に応じた資格データを提供すると共に、ISO 26262、IEC 61508、そしてEN 50128に対する認定にも対応しています。これらの機能安全規格に対応していることにより、セーフティクリティカルな製品を規格に準拠させる際に、時間とコストがかかるレビューや検証作業を省くことができます。
ARINC 661に準拠したアプリケーション開発に対しては、新しいARINC 661 Server Creator UIにより、ウィジェットやグラフィカルサーバーの生成において最大40%の効率向上を実現します。このユーザーインターフェースは、ARINC 661のウィジェットおよびサーバーの生成、そしてカスタマイズプロセスを効率化します。

「現在、当社ではポーランド初の通信ベースの鉄道制御システムを開発中ですが、この事業を成功させるためにANSYS製品の導入を決めました。このプロジェクトでは、これまでの安全レベルを維持しながら鉄道システムのキャパシティを増やすことを目指しています。鉄道向けの機内システムの開発にあたって導入する高度なソリューションは、ふとした問題が深刻な結果につながる可能性があるため、信頼性と安全性を有することが不可欠です。こうした理由から、組込みソフトウェアの開発期間を短縮しつつ、EUの各種規制を確実に順守するのに最適なソフトウェアとしてANSYS SCADEを選びました。」(ポーランドRail-Mil社、CEO、Slawomir Jasinski氏)
ANSYS(R) medini analyzeでは、故障注入に伴う安全機構のカバレッジデータの検証を含む半導体レベルの故障モード影響診断解析(FMEDA)を完全にサポートしています。これによってお客様はISO 26262:11 2018に準拠することができます。

■システムシミュレーションおよびデジタルツイン向けの新機能
ANSYS(R) Twin Builder(TM) 2019 R2では、Modelicaワークフロー機能の向上により、Modelicaコンポーネントのシステム設計内での実装および編集がより素早く簡単に行えます。「Undo-Redo」および新しい配列コネクタダイアログボックスのサポートも、これらの新機能の一環です。また、新たなソルバー性能の向上により、製品性能は最大30%改善されました。

■マルチフィジックス性能の向上
マルチフィジックススイートでは、System Couplingを利用するすべてのマルチフィジックスシミュレーションケースで、カップリングエンジンの性能にして3倍の向上、全体的な実行時間にして20%以上の向上という恩恵を受けます。今回のアップデートにより、定常と非定常が混在する解析を実行できるようになります。これは一方では高速な物理的効果が見られるが、もう一方では遅い応答となるようなマルチフィジックスアプリケーションをモデル化するようなケースで、シミュレーション効率が向上します。高速な物理場は定常状態として、より遅い応答は非定常挙動として解析できます。

■より包括的で多くのインサイト(知見)を得られる3D設計探索
これまで高い評価を得てきたANSYS(R) Discovery(TM)は、引き続き、設計プロセスの早い段階にシミュレーションを導入して、すべてのエンジニアにシミュレーションで得られるインサイト(知見)をもたらします。このリリースでは、設計者向けケースに熱応力および電気伝導のライブシミュレーションが加わりました。

エンジニアは、設計を開発するうえで製品挙動を幅広く評価しなければなりません。ANSYS Discoveryは、業界をリードする形で、これまでにないスピードと操作性で多岐にわたる現象に対応します。このリリースでは、インタラクティブな凡例の変更、結果の制御の改善、3Dシミュレーション結果での没入型インタラクションの強化を通じて、シミュレーションからより多くのインサイトを得られます。また、ベータ版ではあるものの、サーフェスベースのCADモデルに結果を戻すオプションなど、設計生成機能も改良されています。

■より高速かつ容易になる付加製造技術
ANSYS(R) SpaceClaim(R)に内蔵されたANSYS Additive Prepにより、部品の配置設定や高度なサポート構造の作成が容易になります。新しいヒートマップでは、最適なサポート、ひずみ傾向、およびビルド時間の迅速なフィードバックが提供されます。また、ネイティブのサポート生成ツールは使いやすく、高速です。

<ANSYSについて>
ロケットの打ち上げをご覧になったり、飛行機で空を旅したり、車を運転したり、橋を渡ったり、PCを使ったり、モバイルデバイスの画面にタッチしたり、あるいはウェアラブルデバイスを身に付けたりされたご経験はおありでしょうか。それらの製品は、ANSYSのソフトウェアを使って生み出されたものかもしれません。ANSYSは、工学シミュレーションの世界的リーディングカンパニーとして、今までにない優れた製品の誕生に貢献しています。最高水準の機能と幅広さを備えた工学シミュレーションソフトウェアの提供を通じ、ANSYSは、最も複雑な設計上の課題であっても解決を支援し、製品設計の可能性を想像力の限界まで押し広げています。1970年に設立されたANSYSは、本社を米国のペンシルバニア州ピッツバーグ南部に置いています。詳細は、 https://www.ansys.com をご覧ください。

ANSYS、ならびにANSYS, Inc.のすべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、ロゴ、標語は、米国およびその他の国におけるANSYS, Inc.またはその子会社の商標または登録商標です。その他すべてのブランド名、製品名、サービス名、機能名、または商標は、それぞれの所有者に帰属します。

アンシス・ジャパン株式会社(ANSYS Japan K.K.)は、米国ANSYS, Inc. 100%出資の日本法人です。ANSYS, Inc.のCAEソフトウェアを日本で販売し、あわせてサービス、サポート体制を確立するために設立されました。


アンシス・ジャパン株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#アンシス・ジャパン
#ソフトウェア
#2019年6月10日