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衝突防止ミリ波レーダーとADASの評価を室内で実現する業界初のターゲットシミュレータ「ASGARD1」を発売【東陽テクニカ】

2019年5月16日

~ UniqueSec社と日・米・中で代理店契約締結 ~
衝突防止ミリ波レーダーとADASの評価を室内で実現する 業界初のターゲットシミュレータ「ASGARD1」を発売
“人とくるまのテクノロジー展2019 横浜”に初展示

 株式会社東陽テクニカ(本社︓東京都中央区、代表取締役社長︓五味 勝)は、最新の商用短距離レーダー向け信号処理アルゴリズムおよび試験・検証ソリューションメーカーのUniqueSec AB(本社︓スウェーデン ヴェストラ・イェータランド県ホヴァ、UniqueSec 社)と、日本国内総代理店および米国・中国における販売代理店契約を締結いたしました。第一弾として、衝突防止用ミリ波レーダーセンサや先進運転支援システム(ADAS) の評価が室内で簡単にできる、ターゲットシミュレータ「ASGARD1」を2019年5月20日に発売いたします。
 これは、衝突防止用ミリ波レーダーセンサ単体の評価やミリ波レーダーセンサ搭載車両のADAS機能検証のために、相対速度や距離のシミュレーションを効率よく実施できるシステムで、RF フロントエンド、信号発生装置およびソフトウェアから構成されます。遅延回路をベースとした一般的な製品より、レーダーとターゲット間のシミュレーション可能な距離をはるかに短縮し、自動車が衝突する直前までのシナリオを再現できる業界初※1 の機能を持った画期的な製品です。
 自動車技術者のための国内最大の技術展「人とくるまのテクノロジー展 2019 横浜」(会期︓2019 年 5 月 22 日(水)~24 日(金)、会場︓パシフィコ横浜)に、本製品を実機展示(初展示)いたします(ブース番号︓116)。

 より高度なADASや自動運転の実現のため、自動車メーカーや車載機器メーカーではさまざまなセンサの開発が活発に行われており、センサ性能の確認評価がますます重要になっています。開発が進むコアセンサの一つであるミリ波レーダーセンサの評価では、前方車両や歩行者、自転車などのターゲットを設置してテストを実施しますが、 複雑なシナリオで試験を実施するには、多くのターゲットを用意してシナリオ毎に設置替えをしながら、屋外テストコースでの試験やフィールド測定を多数実施する必要があり、コストや時間・手間がかかります。また、現在主流である遅延回路ベースのターゲットシミュレータは信号処理による遅延や回路自体の長さにより、ターゲットまでの最小距離を数メートル以下に減らすことができないため、自動車アプリケーションでの衝突直前までのシナリオに対応できず、ADASの衝突防止機能の試験を実施することができません。
 新製品のターゲットシミュレータ「ASGARD1」は、衝突防止用ミリ波レーダーセンサの評価をするために、室内で前方車両の動きを模擬できるターゲットシミュレータです。ミリ波レーダーセンサ単体の性能評価やミリ波レーダーセンサ搭載車両の ADAS 機能試験を目的として、相対速度および距離のシミュレーションを効率よく実施できる製品です。制御ソフトウェアでレーダーの反射信号を生成し、複数のターゲットに対する距離や相対速度といったパラメータを自由に変化させて、試験対象物のレーダー機能評価を行うことができます。オフィスのデスク上に設置できるほどコンパクトで、環境がコントロールされた室内で試験を実施できるため、再現性の高い評価が可能です。また、設定が簡単で時間をかけずに完了でき、すぐに評価を開始することができます。
 特許取得の周波数スペクトラムドメインでの信号処理技術※2 を利用して、業界で初めて試験対象物のレーダーとターゲットの距離をほぼ 0m まで縮め、衝突直前までのシナリオを含めミリ波レーダーセンサが利用されるさまざまな環境を、より正確にシミュレーションすることができます。実環境に近い状態で ADAS や自動運転車の振る舞いを評価でき、安全性を格段に向上させます。

 また「ASGARD1」と、当社が扱うRototest Energy社のハブ結合式シャシダイナモメータシステムや、岩根研究所と共同開発したドライビングシミュレータ用実写映像再生ソフトウェアと組み合わせ、ADAS や自動運転機能評価のためのオリジナルソリューションとしても販売いたします。
 東陽テクニカは、最先端の車載センサ計測システムだけでなく、多くの分野の製品を取り扱う強みを活かして、高付加価値のユニークなソリューションも提案することで、より安心・安全な ADAS や自動運転システムの開発に貢献してまいります。

【 ターゲットシミュレータ「ASGARD1」の主な特長 】
・ 特許取得の信号処理技術を利用することで、ほぼ0から300mの距離をシミュレーション可能
・ 車両のレーダーセンサ部の近くに置いて試験することが可能
・ 200ポイント以上のターゲット生成が可能
・ 次期モデルでは、電子的に到来角度を変化させるフェイズドアレイアンテナを提供(予定)

【 製品データ 】
・ 製品名︓ターゲットシミュレータ「ASGARD1」
・ 販売開始日︓2019年5月20日
・ 販売地域︓日本、米国、中国
・ 販売価格︓2,500万円(税別)~

【 展示会ブース概要 】
● 会期︓2019年5月22日(水)~24日(金)
● 場所︓パシフィコ横浜
● ブース番号︓116
● 出展のお知らせ︓https://www.toyo.co.jp/mecha/seminar/detail/ate_expo_2019_yokohama.html? utm_source=mecha_top&utm_medium=right_banner0419&utm_campaign=S05
■ 主催者公式サイト︓「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」 https://expo.jsae.or.jp/

※1 衝突防止用ミリ波レーダーセンサ評価向けターゲットシミュレータ業界において。
  2019年5月10日現在。東陽テクニカ調べ。
※2 電波を遅延させる一般的な方法は遅延回路で、これは時間ドメインで遅延時間を変化させるものです。
  一方、電波の遅延は位相の遅れで表すことができ、また、位相の変化は周波数偏移で考えることができます。
  レーダーの反射信号成分(ターゲットからの反射状態)の付加を周波数の変化を利用した
  数学的処理で可能にした技術です。

<UniqueSec ABについて>
 UniqueSec 社は 2013 年に設立され、短距離・高周波・広帯域のレーダーの信号処理を専門とするメーカ ーです。レベル計測、距離・速度計測、存在検出、外部監視や物体分類における最先端の信号処理アルゴリズムを開発し、多くの国と地域で特許を取得しています。
 このアルゴリズムを発展させ、自動車をはじめとするさまざまなアプリケーションで使用されるレーダーの試験・検証ソリューションの設計もしており、先進運転システムや自動運転の安全性と信頼性の検証に役立つ製品を提供しています。
UniqueSec社 Web サイト︓https://www.uniquesec.com/


<株式会社東陽テクニカについて>
東陽テクニカは 1953 年の創立以来、世界最高水準の“はかる”技術の提供をコアコンピタンスとし、最先端の 測定機器の輸入販売と自社開発製品の提供によって、官公庁、大学ならびに企業の研究開発を支援してきま した。技術分野は、情報通信、自動車計測技術、環境エネルギー、EMC(電磁両立性)試験、海洋調査、 ソフトウェア開発支援、ライフサイエンスなど幅広く、米国や中国の現地法人などを通じて世界にも提供しています。 また、2016~2017年にかけて新しい3組織「セキュリティ&ラボカンパニー」「技術研究所」「ワン・テクノロジー ズ・カンパニー」を設立。サイバーセキュリティサービスの提供、自動運転車の開発支援、AI(人工知能)を使っ たデータ解析など、新しいソリューションの創造に取り組んでいます。 「“はかる”技術で未来を創る」のスローガンのもと、これからも産業界の発展と安全で環境にやさしい社会づくり に貢献してまいります。
東陽テクニカWebサイト : http://www.toyo.co.jp/

株式会社東陽テクニカ EMCマイクロウェーブ計測部
TEL︓03-3245-1244(直通) E-mail︓emc@toyo.co.jp
ターゲットシミュレータ「ASGARD1」製品紹介サイト︓ https://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/ASGARD



※本ニュースリリースに記載されている内容は、発表日現在の情報です。製品情報、サービス内容、お問い合わせ先など、予告なく変 更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
※記載されている会社名および製品名などは、各社の商標または登録商標です。








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