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マルチマテリアルによるドアモジュールの開発【帝人】

2019年3月6日

軽量性、強度、デザイン性の兼備を実現
マルチマテリアルによるドアモジュールの開発

帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:鈴木 純)は、自動車の軽量化、強度やデザイン自由度の向上、および製造工程の短縮化などに貢献する、コンポジット製の座席ドアモジュール*1を開発しました。 既に試作品の開発にも成功しており、世界最大のコンポジット展示会「JECワールド2019」において初めて披露します。(出展ブース:hall 6, G28 & J28)

*1 モジュール: 自動車の車両を構成する部材を組み合わせてシンプルに設計する仕組み。


「JECワールド2019」に出展するサンプル(イメージ)

1.背景
(1)世界的な環境規制の強化を背景としたEV化の加速により、特に欧州を中心に、
   樹脂などの軽量・高強度素材を用いたモジュール化が進んでおり、
   既に後部荷室の扉やボンネット、ルーフなどに実用化されています。
(2)こうした中、座席ドアについては、事故の際に搭乗者を守り、乗降のたびに負荷がかかり、
   かつ電源供給や信号通信に必要なハーネスを内蔵していることなどから、
   特に優れた衝撃吸収特性や疲労特性が求められています。
(3)一方、一般的にスチール代替の軽量素材として用いられるアルミは、複雑な形状への加工が
   容易ではなく、デザインの自由度に制約があるとされています。
(4)こうした中、帝人グループは、独自の高機能素材やエンジニアリング技術、および成形技術を駆使して、
   マルチマテリアルによるコンポジット製の座席ドアモジュールを開発・設計し、軽量性、強度、
   デザイン性を同時に実現しました。

2.今次開発製品について
(1)このたび開発したドアモジュールは、CF-SMC*2やGH-SMC、一方向性のGFRPを組み合わせることにより、
   座席ドアに求められる強度を保ちながら、スチールを使用した従来のドア部品に比べて約35%の軽量化に
   成功しました。
(2)また、アルミを使用したドア部品と同等の製造コストを実現しながら、アルミでは実現が難しかった、
   角部分に半径3mmの丸みを持たせた深さ70㎜の型押し加工による深絞り成形を行い、デザイン性も
   向上しました。
(3)さらに、高い耐熱性が求められる電着塗装(E-Coat)工程にも適応可能であることから、従来の金属部品の
   塗装工程ラインを活用できるため、生産性の向上にも寄与します。

*2 SMC: Sheet Molding Compoundの略。熱硬化性樹脂を炭素繊維やガラス繊維に含浸させ、
     シート状にした成形材料。

3.今後の展開
(1)帝人グループは、自動車部品の軽量・高強度コンポジット化の加速に向け、様々な取り組みを推進しています。
   このたび開発したドアモジュールについても、グループ内の素材や技術を結集し、顧客ニーズに沿った
   最適な設計と改良を行うことにより、2025年までの実用化を目指していきます。
(2)また、このたびの開発を機に、マルチマテリアルでの部品供給メーカーとして、ソリューション提案力の
   強化を進めることで、2030年近傍には、自動車向け複合材料製品事業で売上2,000百万米ドル規模を
   目指していきます。

当件に関するお問い合わせ先
帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 03-3506-4055

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その後、内容が変更になっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。





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