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第68回 自動車技術会賞で 浅原賞学術奨励賞、論文賞、技術開発賞を受賞【スズキ】

2018年5月23日


 スズキ株式会社の技術者が、公益社団法人自動車技術会が主催する「第68回 自動車技術会賞」において「浅原賞学術奨励賞」、「論文賞」、「技術開発賞」を受賞した。5月24日にパシフィコ横浜で開催される自動車技術会 春季大会で授賞式が行われる。

 自動車技術会賞は、自動車工学及び自動車技術の向上発展を奨励し、また次代を担う技術者・研究者を養成、支援する事を目的として公益社団法人自動車技術会が創設したもので、「学術貢献賞」、「技術貢献賞」、「浅原賞学術奨励賞」、「浅原賞技術功労賞」、「論文賞」、「技術開発賞」の各賞を表彰する。

 スズキは、「Ptクラスターのサイズ制御による排ガス浄化触媒の耐熱性向上」で「浅原賞学術奨励賞」、「CT半導体レーザ吸収法を用いたエンジン筒内の2次元時系列温度分布計測」で「論文賞」、「ロボットによる鋳鉄溶解炉のノロ取り作業自動化技術の開発」で「技術開発賞」の3つを受賞した。

 これからもスズキは、技術開発を通してお客様の求める小さなクルマづくり、環境に配慮した製品づくりに邁進し、お客様に喜ばれる真の価値ある製品づくりに取り組んでいく。

●浅原賞学術奨励賞 受賞
受賞テーマ:Improvement of the Thermal Durability of an Exhaust Gas Purifying
      Catalyst using Size-Controlled Pt-Hydroxide Clusters
      ~Ptクラスターのサイズ制御による排ガス浄化触媒の耐熱性向上~
受賞者:
  スズキ株式会社 環境・材料・生産技術開発部 津田 豊史(つだ とよふみ)
受賞理由:
 自動車の排ガス浄化用触媒には、希少且つ高価な貴金属が使用されており、その使用量の低減が望まれている。貴金属は、高温の排ガスに晒されて劣化(粗大化)することを見越して多めに担持されており、粗大化の抑制が貴金属量低減の重要な課題となっている。受賞者は、貴金属のうち白金(Pt)の粗大化抑制技術の開発に取り組み、触媒材料合成や高度分析技術による材料解析といった基礎技術から、触媒性能の実車評価まで一連の開発を実施した。そして、粗大化抑制のメカニズムとして、適切な大きさのPtナノ粒子を作製し、それを担体上へ均一に分散させて担持することが有効であることを明らかにし、省貴金属触媒設計の方向性を示した。排ガス浄化技術の発展に向けて今後の活躍が期待される。

論文賞 受賞
受賞テーマ:CT半導体レーザ吸収法を用いたエンジン筒内の2次元時系列温度分布計測
受賞者:
主著 徳島大学 出口 祥啓(でぐち よしひろ)教授
    共著 徳島大学 髙木 琢(たかぎ たく)
       徳島大学 神本 崇博(かみもと たかひろ)
       スズキ株式会社 開発本部横浜研究所第二課 岡本 智美(おかもと ともみ)
       スズキ株式会社 四輪パワートレインシステム開発部 渡邉 直人(わたなべ なおと)
受賞理由:
 エンジン筒内の燃焼特性を明確にするため、半導体レーザ吸収法にCT(Computed Tomography)を組合せたCT半導体レーザ吸収法を開発し、エンジン筒内における2次元時系列温度計測を実施した。この方法では、エンジンヘッド下部にCT計測セルを挟み込むことにより、筒内の2次元温度・濃度分布が計測できる。広波長域を高速にスキャン可能なレーザ光を複数計測場に照射し、画像再構成を行うことにより、エンジン筒内における2次元時系列温度計測を世界で初めて達成した。従来、レーザ誘起蛍光法などの手法がエンジン筒内計測に応用されているが、計測窓の設置など、エンジンの改造を要していた。本手法は、エンジン構造を改造することなく、筒内の温度・濃度分布を計測できる技術であり、学術的・産業的に高く評価される。

●技術開発賞 受賞
  受賞テーマ:ロボットによる鋳鉄溶解炉のノロ取り作業自動化技術の開発
受賞者:
スズキ株式会社 第一生産技術部    岩本 雅夫(いわもと まさお)
    スズキ株式会社 第一生産技術部    江頭 良太(えがしら りょうた)
    スズキ株式会社 第二生産技術部    松本 明(まつもと あきら)
    スズキ株式会社 第四生産技術部    河邑 尚弥(かわむら なおや)
    スズキ株式会社 大須賀工場鋳造第一課 牧野 明男(まきの あきお)
受賞理由:
 ものづくりの主役である工場で、作業者の安全を守る技術開発は極めて重要であり、新製品の技術開発に傾注することなく進歩させる必要がある。本開発は安全のための数少ない取り組みとして、課題が多い鋳造分野の中で最も危険かつ過酷で熟練者に頼ったノロ取り作業について、量産レベルでの自動化を世界で初めて実現した。これによりノロ取り作業は、安全柵の外側から数回スイッチ操作を行うのみの軽作業に変わり、重大災害のリスクは削減された。汎用ロボットを使い経済性、汎用性にも優れる特徴があり実用的である点が高く評価される。

※ ノロ:スラグ(slag)、溶解した金属上に浮いてくる酸化物などの不純物の総称
※ 受賞理由は、公益社団法人自動車技術会発行「第68回自動車技術会賞 受賞者発表用パンフレット」より引用。
公益社団法人自動車技術会のウェブサイト http://www.jsae.or.jp/








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