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軽量化ニーズに応じたマルチマテリアル開発【日立金属】

2018年5月9日

 日立金属株式会社(以下 日立金属)は、自動車の省燃費化、電動化など、車体の重量化傾向における課題の解決に向けて、このたびは素材のマルチマテリアル化の試作を実施しました。

1.背景
 日立金属は、市場ニーズを捕捉し、自動車分野のグローバル市場においてさらなる成長をめざしています。特に、環境性能に優れたエコカー関連製品を成長ドライバーと位置付け、研究開発およびグローバル拡販に取り組んでいます。  近年、CO2排出規制強化に則した省燃費化ニーズ、電動化や衝突安全性強化、さらには自動運転での操作性向上を要因とした車体全体の重量化傾向により、自動車部材に対する軽量化へのニーズがさらなる高まりを見せています。

2.内容
 これまで日立金属は、ニアネットシェイプ成形法※1や、CAE解析※2による設計技術向上により、砂型鋳造やダイカスト※3での製造において、部材の軽量化技術を追究してきました。市場のさらなる軽量・高強度化ニーズに応えるため、新たにCFRP※4を加え、その他の素材の長所を生かした最適な配置で異素材同士を接合させる「マルチマテリアル化」についての研究を開始しました。2018年5月23日より開催の人とくるまのテクノロジー展(於 パシフィコ横浜)にて本試作品を公開予定です。
 本取り組みをきっかけに、当該部材のより一層の軽量・高性能化をめざした研究開発を進めていきます。マルチマテリアル化の実践により、素材の多機能化を実現し、将来これまでにない素材の開発や、新たな用途への応用を試みます。
 日立金属素形材事業では、今後も当研究を推進し製品力の強化を実現することで、自動車の環境性能向上に貢献し、世界各国のお客様とともに持続的成長をめざします。

3.概要

【お客様からのお問い合わせ】
素材研究所 担当 藤井 TEL 0285-84-4441
※1 ニアネットシェイプ成形法: 機械加工などによる除去加工の手間やコストを減らすことを狙った、最終製品に近い形状を得る成形法。
※2 CAE解析:「Computer Aided Engineering」の頭文字の略で、設計した製品を実際に作る前段階で、コンピューター技術を活用しシミュレーション(事前検討)を行うこと
※3 ダイカスト:金属製の精密な鋳型の中に、圧力をかけて溶かした合金を流し込み鋳造する技術。 砂型鋳物より寸法精度が高く、大量生産ができる。
※4 CFRP:「Carbon Fiber Reinforced Plastic」の頭文字の略で、強化材に炭素繊維を用いた繊維強化プラスチック(炭素繊維強化プラスチック)。樹脂を炭素繊維で強化することで、樹脂単体よりも高い強度や剛性を得たもの。








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