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全世界で電気自動車の生産を大規模拡大 【フォルクスワーゲングループジャパン】

2018年3月15日

フォルクスワーゲングループ、全世界で電気自動車の生産を大規模拡大

 ●  “Roadmap E”をさらに加速:2022年末までに電気自動車用拠点を16カ所に
 ● ヨーロッパおよび中国でバッテリーメーカーとのパートナーシップ契約を締結
 ● CEOマティアスミュラー:「状況は大きく変化している。フォルクスワーゲンという巨大タンカーは、
   その進路を変えて、未来へ向けてフルスピードで前進している」
 ● 2017会計年度:ディーゼル危機による多額の現金支出にもかかわらず、過去最高利益を記録
 ● CFOフランクヴィッター:「2017年の実績は、私たちが積極的に企業の変革を実行していることを
   示している。2018年も立ち止まることなく努力を続ける。」

ウォルフスブルグ/ベルリン、2018年3月13日
フォルクスワーゲングループは、e-モビリティへの転換を推進しています。2020年末までに、世界各地の16カ所の工場で、電気自動車を生産する予定です。この計画は、ベルリンで開催されたフォルクスワーゲンAG年次記者会見で、マティアスミュラーによって発表されました。グループは現在、電気自動車を3カ所で生産しており、2年後にはグループ全体でさらに9カ所の工場で電気自動車の生産に向けて設備を整える予定です。環境に優しい電気自動車の大規模な生産のために必要となる十分な量のバッテリーを確保するため、ヨーロッパと中国において、バッテリー メーカーとのパートナーシップ契約を既に締結しました。既に締結されている契約の総額は、約200億ユーロに達しています。北米向けのサプライヤーも間もなく決定される予定です。

「ここ数か月間、私たちは “Roadmap E”を必要な速度かつ確固たる決意を持って実行するために あらゆる障害物を取り除きました」と、ミュラーはベルリンで説明しました。昨年の秋に “Roadmap E”が開始されたとき、フォルクスワーゲングループは2025年までに最大で300万台の 電気自動車を生産し、グループ全体で80モデルの新しい電動車両を市場に導入する計画を発表 しました。現在8モデルの電気自動車とプラグインハイブリッドモデルを展開しているグループの ポートフォリオに、今年新たに9つのニューモデルが追加されます。その内のモデルは電気自動車です。

フォルクスワーゲングループは、先週開催されたジュネーブ国際モーターショーで、アウディ「e-tron(トロン)」、ポルシェ「Mission E(ミッションE)」に加え、フォルクスワーゲン「I.D.(アイ.ディ)」 ファミリーの新メンバー、「D. VIZZION(アイディビジョン)」など、数多くのイノベーションを展示 しました。2019年以降は、「ほぼ毎月」新しい電気自動車が発売されることになります。ミュラーは 次のように述べています。「それによって、今後わずか数年間で、すべてのブランドと地域において、世界で最も大規模に電気自動車を提供することを目指しています。」

これは、フォルクスワーゲンが従来の駆動システムと決別することを意味している訳ではないことをCEOは強調しています。ミュラーは、最新のディーゼルエンジンは、さまざまな課題を解決するための手段であり、問題を引き起こすものではないということを強調しました。それは、気候変動に関しても同様です。「私たちは未来のモビリティに対して多額の投資を行っていますが、何十年にも亘って重要な役割を果たし続けてきた現在のテクノロジーやクルマを軽視することはありません」と、 ミュラーは続けています。「フォルクスワーゲンは、2018年に従来型の車両および駆動方式のポートフォリオに対して約200億ユーロを、今後5年間では合計900億ユーロ以上を投資する予定です。」

ミュラーCEOが議長を務める独立した委員会が設立され、将来の重要な課題であるグループの デジタル化を推進しています。「モビリティの未来は、フォルクスワーゲングループの未来像とともに、徐々に形を表し始めています」と、ミュラーは語っています。その好例が「SEDRIC」です。フォルクスワーゲングループは、このコンセプトカーによって、完全な自動運転の可能性を初めて示しました。「SEDRIC」はグループの垣根を超えて設計されましたが、間もなく「グループを離れ、特定のブランドによって、生産するための改良が行われるでしょう」と、ミュラーは発表しています。

2016年にスタートしたグループ全体の改革プランは、「日を追うごとに、より具体的で、明確で、確実なものになりつつあります」とミュラーは述べています。“TOGETHER –Strategy 2025”は、フォルクスワーゲンを覚醒させる原動力となりました。「2017年は、フォルクスワーゲングループや各ブランドにとって、素晴らしい年となりました。私たちは攻勢に転じ、そしてそれを継続していきます。」とCEOは強調し、これは特にe-モビリティに当てはまることを付け加えました。「”Roadmap E”において、 私たちの決意を表す力強いメッセージを発信しました」と、ミュラーは述べています。フォルクス ワーゲングループは昨年、自動車業界で最も包括的な電動化のための計画、”Roadmap E”を開始しました。

この再編は、グループ全体で既に結果となって表れています。「私たちは健全な財務基盤を持ち、戦略的に正しい立ち位置にいます」と、ミュラーはコメントしています。「状況は大きく変化しています。そして、私たちはさらに多くの計画を立てています。フォルクスワーゲンという巨大タンカーは、 その進路を変えて、未来へ向けてフルスピードで前進しているのです!」

フォルクスワーゲングループは、変革のために必要な財源を持っています。ディーゼル危機による多額の現金支出にもかかわらず、2017年末の純流動性資金は224億ユーロで、非常に健全な水準を維持しています。「2017年の実績は、私たちが積極的に企業の変革を実行していることを示しています。」と、CFOのフランクヴィッターは述べています。「私たちは、2018年も立ち止まることなく 努力を続けます」と、グループの好調な業績を反映し、ベルリンにあるフォルクスワーゲングループ フォーラム「DRIVE」で初めて開催された年次記者会見の席でCFOは強調しました。

2017年の主要財務指標:ディーゼル問題にもかかわらず高い利益を計上

フォルクスワーゲングループは、2017年度を好調な業績で締めくくりました。ほぼすべての主要 財務指標において、過去最高の数値を達成しました。とくに注目すべきは車両販売台数です。2017年は、世界中で1,070万人のお客様に、フォルクスワーゲングループの車両を選択していただき ました。これは、グループ史上最高の販売台数です。この数値には、2017年に前年比5.1%増と なる、420万台以上の車両を販売した中国の合弁事業の販売台数が含まれています(香港および輸入車を含む)。

グループの売上高も、2017年に新記録のレベルにまで増加しました。「グループの売上高は、 前年比6.2%増の2,307億ユーロに達し、新記録を達成しました。」と、フランクヴィッターCFOは説明しています。特別項目計上前および計上後の営業利益も過去最高で、特別項目計上前の営業利益は170億ユーロ、計上後の営業利益は138億ユーロでした。「特別項目を差し引いても、この数値はフォルクスワーゲングループ史上最高の営業利益です」と、ヴィッターは述べています。利益の増加は主に、販売台数の増加、製品ミックスの向上、マージンに関連する要素、そして製品コストの改善によるものです。特別項目計上前の営業利益率は、前年度の6.7%から7.4%へ向上しました。

ディーゼル問題に関連する特別項目による損失は、前年度の64億ユーロに対して、2017年度は32億ユーロとなり、営業利益を圧迫しました。会計年度に発生したこれらの費用は、主に北米の2.0リッターおよび3.0リッターTDI車両の買い戻し、改修プログラムに関わる高額な費用、ならびに 法的リスクの増加によるものです。

販売台数とは異なり、グループの売上高および営業利益には、中国の合弁事業の数値は含まれていません。これは、中国の合弁事業が、持分法を適用して決算報告書に計上されているためです。中国の合弁事業については、2017年に、前年度の50億ユーロを若干下回る47億ユーロの持分 による営業利益を計上しました。さらに、電気自動車の開発、生産、販売を行うため、中国の安徽 江淮汽車(JAC)と合弁事業の契約も締結しています。将来的にグループは、中国で生産した自動車を最初はフィリピンに、その後はその他

2017年の財務結果は、前年の2億ユーロから1億ユーロに減少しました。税引き前利益は139億 ユーロとなり、前年度の数字を66億ユーロ上回りました。税引き後利益は、116億ユーロ(前年: 54億ユーロ)でした。2017年の税率は16.3%(同26.2%)と、非常に低い水準となりました。これは、年末に決議された米国の税制改革によるものであり、これにより、10億ユーロの一時的な現金収支を伴わないプラスの会計処理効果がもたらされました。

フォルクスワーゲンAGの株主に帰属する利益は、114億ユーロ(同51億ユーロ)となりました。 ヴィッターは次のように述べています。「取締役会および監査役会は、1株あたり普通株3.90ユーロ、優先株3.96ユーロの配当を行うことを株主の皆様に提案する予定です。」

2017年の研究開発費の大半は、ニューモデルの開発に加え、車両ポートフォリオの電動化、 エンジンラインナップの効率化やデジタル化に充てられました。自動車部門における不動産、工場および設備に対する投資額は、前年と同レベルの126億ユーロ(同128億ユーロ)でした。自動車 部門の売上高に占める研究開発費の割合を示すR&D比率は、6.7%(同7.3%)に減少しました。 設備投資/売上高の比率も、6.4%(同6.9%)と大幅に低下しています。「私たちは、遅くとも2020年までに設備投資比率およびR&D比率を6%に引き下げるという目標に、引き続き取り組んでいます」と、ヴィッターCFOはベルリンで述べました。

自動車部門のネットキャッシュフローは、ディーゼル問題による多額の現金支出の結果、103億 ユーロ減少し、60億ユーロのマイナスとなりました。これらの支出を除外したネットキャッシュフローは、将来に向けて実施している高レベルの設備投資にもかかわらず、約100億ユーロになるとヴィッターは示しています。さらに、「ネットキャッシュフローは、弊社の力強い事業活動を反映しており、 強固な財務基盤を証明するものです」と付け加えました。2017年末の自動車部門の純流動性資金は224億ユーロで、堅調な水準を維持しています。

ブランドおよびビジネス分野

2017年におけるフォルクスワーゲン乗用車ブランドの売上高は、前年比24.3%減となる800億 ユーロでした。これは、会計範囲となる企業の再分類によるものです。特別項目計上前の営業利益は33億ユーロ(同19億ユーロ)に増加し、特別項目計上前の営業利益率も4.1%(同1.8%)に 上昇しました。ディーゼル問題に関連する特別損失は28億ユーロ(前年度合計:52億ユーロ)となりました。

2017年におけるアウディ ブランドの売上高は、前年度から8億ユーロの増加となる601億ユーロ でした。特別項目計上前の営業利益は、前年度とほぼ同じレベルの51億ユーロ(同48億ユーロ)となり、特別項目計上前の営業利益率は8.4%(同8.2%)でした。ディーゼル問題に関連する特別損失は4億ユーロ(前年度合計:18億ユーロ)でした。アウディブランドの主要財務指標には、 ランボルギーニおよびドゥカティブランドの業績が含まれています。

2017年におけるシュコダブランドの売上高は、前年比20.8%増となる166億ユーロでした。営業 利益は、とくに販売台数の増加と製品ミックスの向上を反映した結果、前年比34.6%増の16億 ユーロとなりました。営業利益率は、前年の8.7%から9.7%へ向上しました。

セアトは、2017年も好調な業績を維持しました。99億ユーロの売上高は、過去最高だった前年度の数字を11.2%上回っています。営業利益は24.8%増加し1,910億ユーロ(同1,530億ユーロ)でした。販売台数の増加、製品ミックスのプラス効果、マージン関連の向上が、コストの増加によるマイナス要素を相殺しました。営業利益率は1.9%(同1.7%)でした。

昨年度のベントレーの売上高は、前年比9.2%減となる億ユーロでした。営業利益は、5,500万 ユーロ(同1億1,200万ユーロ)に減少しました。営業利益率は3.0%(同5.5%)でした。

ポルシェは、2017年に再び非常に好調な業績を記録しました。ポルシェオートモービルは、前年比4.7%増となる217億ユーロ(同207億ユーロ)の売上高を達成しました。営業利益は、主に販売台数の増加を反映し、前年比7.2%増となる40億ユーロを計上しました。営業利益率は18.5%(同18.0%)となっています。

2017年におけるフォルクスワーゲン商用車ブランドの売上高は、119億ユーロ(同111億ユーロ) でした。営業利益は、生産ネットワーク拡大によるコストの上昇にもかかわらず、マージン、販売 台数、為替レート、製品コストの最適化によるプラスの効果により、前年比87.6%増加して8億5,300万ユーロとなりました。営業利益率も7.2%(同4.1%)と大幅に改善しています。

スカニアの売上高は、前年比15億ユーロ増加し、128億ユーロ(同113億ユーロ)となりました。営業利益は、13億ユーロ(同11億ユーロ)に増加しています(前年度の数値は特別項目を除外)。これは、販売台数の増加と、サービス事業の拡大によるものです。営業利益率は10.1%(同9.5%)でした(前年度の数値は特別項目を除外)。

2017年におけるMAN商用車の売上高は、前年比10.8%増となる111億ユーロでした。営業利益は、販売台数の増加、および利益率の改善により、3億6,200万ユーロ(同2億3,000万ユーロ)に増加 しました(前年度の数値は特別項目を除外)。将来に向けたプログラムの実施も、さらにプラスの 効果をもたらしました。営業利益率は、3.3%(同2.3%)でした(前年度の数値は特別項目を除外)。

パワーエンジニアリング事業分野の売上高は、33億ユーロ(同36億ユーロ)に減少しました。営業利益は、1億9,300万ユーロ(同億9,400万ユーロ)でした(前年度の数値は特別項目を除外)。 営業利益率は、5.9%(同5.4%)に向上しています(前年度の数値は特別項目を除外)。

2017年1月に営業を開始したポルシェファイナンシャルサービス事業の業績は、フォルクス ワーゲンファイナンシャルサービス部門の財務結果に含まれています。昨年度におけるフォルクスワーゲンファイナンシャルサービス部門の売上高は、前年比15.5%増となる318億ユーロでした。営業利益は前年比16.9%増加し、過去最高となる25億ユーロを計上しました。この増加は、主に ポルシェファイナンシャルサービスの売上高が追加されたこと、及び利益率の改善と事業の成長によるものです。

2018年の展望

2018年の販売台数は、前年度の数値を多少上回るとフォルクスワーゲングループは予測しています。今年度の課題は、主に経済状況、競争の激化、為替レートの変動、ディーゼル問題など から発生すると考えられます。EUでは、乗用車および小型商用車に対して、排ガス、CO2排出量 ならびに燃料消費量を測定するための、新しい、より時間のかかる試験手順(WLTP)が導入されます。

フォルクスワーゲングループの売上高は、前年比で最大5%程度増加する可能性があると見込んでいます。グループの営業利益に関しては、営業利益率が6.5~7.5%の間になると予想しています。








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