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2018年1月欧州新車販売台数速報【JATO Dynamics】

2018年3月2日

2018年1月欧州新車販売台数速報
「2018年1月の欧州市場は、消費者のディーゼル離れが引き続き見られたが、
新車販売は前年同月比7.1%増に」


● 欧州市場の新車販売は、2008年以降最高の約128万台で前年同月比7.1%増に
● ディーゼル車販売の減少が続き、今期は17の市場で減少し、全体で前年同月比12.5%減
● SUVセグメントの販売が引き続き成長しており、1月の欧州市場では全販売の3分の1がSUVとなる

1.国別販売台数

 2018年1月の欧州自動車市場は、前年同月比7.1%増の約128万台と、2017年より8万4千台増加させており、昨年から続く好調な販売を維持している。また今期は、1月の販売台数としては2008年以来最大の販売台数であり、前年同月比率も2017年5月以降で最高の数値を記録した。主要市場であるドイツやスペイン、オランダ、ベルギー、ポーランドでの2桁成長がこの成長の大きな要因となっている。停滞が続いているイギリス市場は前年同月比で減少しているが、減少率は昨年の6月以降で最小となっており、欧州全体の販売台数への影響は限定的であった。
 国別に見るとイギリスを除く欧州の主要市場は全て販売を増加させている。ドイツ市場は約27万台の登録があり、欧州の最大市場であり続け、スペイン市場は、成長率でドイツ市場(前年同月比11.6%増)を上回り、前年同月比22.7%を記録している。また今期は特に東欧市場の成長が著しく、ルーマニアは欧州市場の中で最高の成長率(前年同月比66.4%増)となり、続くスロバキア、ハンガリーがそれぞれ47%増、38.6%増となった。一方でノルウェー市場では、販売台数の減少しており、今月は前年同月比29.2%減となり、停滞続けるイギリス市場(前年比同月比6.3%減)よりも多い減少率となった。
 また今期の販売は、2017年より顕著になっている欧州市場でのディーゼル車離れが2018年も続くことを示しており、消費者の需要はディーゼル車からガソリン車やAFVへシフトしている。1月は欧州27市場のうち17市場でディーゼルの販売が減少し、前年同月比12.5%減で市場シェアは7.6ポイント減の40.6%にとどまった。一方でガソリン車は市場全体で535,800台販売の前年比18.8%増で、市場シェアは6.5ポイント増の52.2%となった。AFVはディーゼル車減少の恩恵を受け前年比28.2%増の5万7千台販売し、市場シェアを5.5%に伸ばした。セグメント別では、SUVセグメントの販売が小型SUVの成長もあり好調を持続し、前年同月比26.2%増の約43万台を販売を記録した。この販売台数は、1月の販売としては過去最大で、また欧州市場で販売されたモデルの約3分の1はSUVセグメントのモデルだということを示しいる。

JATO Dynamics社のGlobal Automotive AnalystであるFelipe Munozは今期の欧州市場について次のように述べている。 「今年度の欧州市場を占う上で、今月の好調な販売は良い兆候になったと言えるだろう。もちろん、今年度が欧州市場にとって良い年になると断言するには時期尚早ではあるが、1月は我々が予期するよりも良い数字が見られた。一方で、ディーゼル車の販売が減少を続けており、特に今期はドイツやその他主要市場でネガティブな結果となった。ドイツでは前年同月比17.6%減となっており、フランスやイギリスでもそれぞれ12.1%減、25.6%減となっている。このように消費者のディーゼル離れが引き続き顕著であるため、今後もガソリン車やAFVの需要が増えていく事が予想される。」

2.ブランド別

 今月はVWグループが、SUVモデルの需要増やPorscheブランドの成長もあり好調な販売を見せた。Porsche以外のブランドでは、SkodaやSeatブランドが好調であり、それぞれ前年比22%増、21%増となっている。またフォードが彼らのキーセグメントであるMPVの販売減によりマーケットシェアを大きく下げ、DaimlerやFCAもシェアを落としている。日系ブランドの販売に注目すると、Toyotaが前年同月比 +11.7%を記録しブランド別ランキング7位。続いてNissanが -2.0%の14位、Suzukiが +18.9%の19位、Mazdaが +11.8% の20位、Hondaが24位、Mitsubishiが 25位であった。

3.モデル別

 モデル別では、Volkswagen Golfが欧州での販売台数トップの座を維持している。これは、ガソリン車と電気自動車、双方の好調な販売の結果であり前年同月比15%増で2位のFord Fiestaに約1万7千台の差をつけた。販売が伸びているSUVセグメントではTiguanが前年比で販売台数を減らしたものの、当セグメントで販売台数トップとなっている。対照的に、Opel/VauxhallのAstraとCorsaがそれぞれ前年比32%減、19%減と大きく販売を低下させている。その他注目モデルとしては、Toyota Yarisが好調なハイブリッドモデルにより販売を増加させており、前年比27%増となった。またYarisは欧州で最も多く販売されたハイブリッド車となっている。日系ブランドでは、Nissan Qashqaiが前年同期比 +7.1%のモデル別ランキング8位、Toyota Yarisが9位(+27.3%)となった。



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