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長寿命スラスト針状ころ軸受の開発完了【ジェイテクト】

2017年9月28日

長寿命スラスト針状ころ軸受の開発完了
~自動車のトランスミッション用軸受、3.5倍の長寿命化~


㈱ジェイテクト(以下ジェイテクト)は、従来よりも3.5倍もの長寿命化を実現した「長寿命スラスト針状ころ軸受」を開発いたしました。
スラスト針状ころ軸受は、コンパクトで比較的高荷重かつ高回転に使用できることから、自動車のトランスミッションやコンプレッサー等に良く使われ、動力損失の低減に貢献しています。
本開発品により、更なる車両の軽量化や燃費向上に貢献するとともに、既に量産中の製品の長寿命化にも対応いたします。

〈製品写真〉


1.特長
スラスト針状ころ軸受は軸受部品の構成上、ころ軌道の内外周で周速差が発生し、「差動すべり」が発生します。そのため、主にレース表面起点のはく離が発生しやすくなるという課題があります。

(1)そこで「レース表面起点のはく離」に対して、ショットピーニング工程(無数の粒子を衝突させることによって、金属材料を強くする技術)を追加することで、レース表面の高硬度化や残留圧縮応力を付与することで、はく離寿命を向上させています。

(2)一方、レースの強化で「レースはく離」に対する寿命が向上したため、「ころはく離」が発生することが予想されるため、ころについても特殊熱処理による強化を実施しています。

⇒従来品比で3.5倍以上のはく離耐力向上を実現しました。


2.効果
(1)車両の軽量化や燃費向上に貢献
軸受の長寿命化により、従来レベルの寿命を維持したまま、よりコンパクトな設計が可能となっています。
これにより、車両の軽量化や燃費向上に貢献します。

(2)量産流動中の製品の長寿命化も可能
従来加工工程に長寿命処理の追加対応が可能なため、量産流動中である軸受のサイズを変えずに長寿命化対応が可能です。
また、入力トルクが大きくなった場合でも、既存品のレベルアップにて対応可能です。潤滑油の流れなどを変えずに対応可能なことから、ユニット開発の変化点を減らせ、お客様のリスクを低減できます。


3.販売計画
【量産開始】 2020年
【販売目標】 144万個/年
【販売先】  国内外の自動車メーカー、変速機メーカー


4.製造工場
宇都宮機器㈱(当社グループ会社)


ジェイテクトは、軸受事業のブランド「Koyo」に新たにタグライン「Key of your operation」を設定し、お客様とともに課題を解決し、嬉しさを提供するパートナーとして自動車メーカーをはじめ、あらゆる産業に貢献してまいります。








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