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自動車向けコンポジット部品の技術サポート拠点として横浜市に「コンポジットラボ」を開設【ヘンケルジャパン】

2017年7月20日

ヘンケル、自動車向けコンポジット部品の技術サポート拠点として
横浜市に「コンポジットラボ」を開設

―ドイツに次いで2番目となる新施設でアジア全域をサポート―


ドイツの化学・消費財メーカー ヘンケルの日本法人ヘンケルジャパン㈱(本社:東京都品川区 社長:金井 博之)のトランスポート&メタル事業本部は、自動車向けコンポジット部品の技術サポート拠点として、最新鋭の試験機器を備えた「コンポジットラボ」を、当社アジアパシフィック技術センター(横浜市磯子区)内に開設しました。ヘンケルでは、日本をはじめアジア全域における自動車業界の顧客企業と連携し、新設されたコンポジットラボを活用することで、コンポジット部品の開発や試験、生産プロセスの最適化を進め、自動車設計における優れたアイデアの製品化を支援します。

近年自動車業界では、コンポジット材料を用いた車体軽量化と燃費向上への取り組みが進められており、コンポジット材料に対するOEMやTier1サプライヤの関心は急速に高まっています。しかしながら導入に際しての要求は非常に厳しく、年間1万点以上の部品生産が可能で、なおかつコスト効率に優れた生産プロセスが求められています。現状では、高速硬化型のマトリックス樹脂を使用したサイクルタイムの短縮が課題となっており、試験設備を保有する信頼できるパートナー企業の重要性が高まっています。

自動車分野向け接着剤、シーリング剤、機能性コーティング剤のリーディングカンパニーであるヘンケルでは、マトリックス樹脂として一般的に使用されているエポキシ樹脂よりも大幅に硬化速度を速め、生産プロセス全体のサイクルタイムを短縮した樹脂製品を開発、ボルボ自動車のリーフスプリングに採用されるなど、コンポジット部品の大量生産を実現しています。

今後ヘンケルでは、より高性能なコンポジット材料の開発を進めると共に、技術サポート拠点の新設によって、顧客企業との連携によるコンポジット部品の開発や試験、および生産プロセスの最適化に向けた取り組みを強化します。このたび新設されたコンポジットラボには、主要設備として、高圧樹脂トランスファー成形システム(HP-RTM)が導入されています。このシステムには型締力380トンの成形機が含まれており、試験用金型を用いた試作が可能となります。またコンポジットラボが開設されたアジアパシフィック技術センターには、既に機械物性測定、レオロジー測定、環境試験に必要な機器が取り揃えられており、加えて耐衝撃性試験用の設備も導入を予定しています。


グローバル開発機能の強化
ヘンケルは2016年6月に、当社初のコンポジットラボをドイツ・ハイデルベルクに開設しました。今回新たなコンポジットラボをアジアに開設したことは、日本の自動車産業はもとより、全世界の顧客企業に対して高品質なサービスとノウハウの提供を目指すヘンケルの強いコミットメントを表すものです。

ヘンケルの自動車用コンポジットプロジェクト統括マネジャーであるフランク・カーステンは、「最新鋭の試験機器を備えたコンポジットラボをアジアに開設したことを誇りに思います。世界の自動車メーカーは、車やトラックの軽量化によって燃費向上やCO₂排出削減を進めるなか、これまで用いられてきた材料やプロセスにとらわれず、常に最新技術や新興技術に目を向けています。欧州とアジアに開設されたコンポジットラボは、サイクルタイムを短縮した先端コンポジット材料の可能性について、当社エキスパートチームからOEMやTier1サプライヤの皆さまへの最適な情報提供の場となります。ヘンケルは、バリューチェーンにおける競争優位性を確立することで、パートナー企業に貢献します。また顧客との密接な連携によって、量産に適したコスト効率の高い統合ソリューションを提供してまいります。ヘンケルの製品は、強度と安全性に優れ、より静かで、より軽量で、より耐久性に優れた自動車を実現します。」と話しています。

ヘンケルは、コンポジット用マトリックス樹脂や接着剤といったコンポジット材料に関する広範なポートフォリオを提供しています。マトリックス樹脂のLOCTITE MAX series(ロックタイトマックスシリーズ)は、ガラス繊維や炭素繊維プリフォームを用いたRTMプロセスに適しています。本製品には、繊維強化部品に利用されるバインダーや剥離剤も含まれています。またLOCTITEコンポジット用接着剤は、複数素材の接合やアセンブリに適しています。これら材料の開発には、RTMプロセスやコンポジット部品のシミュレーションとカスタマイズに関するヘンケルの豊富なノウハウと専門知識が活かされています。

コンポジットラボについての詳細はウェブサイト(www.composite-lab.com)をご参照ください。


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ヘンケルが横浜市磯子区に開設した「コンポジットラボ」。自動車業界の顧客企業と連携し、コンポジット部品の開発や試験、生産プロセスの最適化が進められます。また、型締力380トンの成形機を含めた高圧樹脂トランスファー成形システム(HP-RTM)での試作が可能です。


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ボルボXC90、S90、V90と新型XC60のリアアクスルは、軽量なコンポジットを使用した横断型の新リーフスプリングを搭載しています。このコンポジットリーフスプリングはヘンケルのロックタイトマトリックス樹脂を使用してベンテラーエスジーエル社がリアサスペンション向けに量産しています。


ヘンケルについて
ヘンケルはブランドとテクノロジーのグローバルリーダーとして、ランドリー&ホームケア、ビューティーケア、アドヒーシブテクノロジーズ(接着技術)の3つの分野で事業展開をしています。ヘンケルは1876年の創立以来、コンシューマービジネスおよび産業分野において、Persil(パーシル)、Schwarzkopf(シュワルツコフ)、LOCTITE(ロックタイト)などに代表される有名なブランドの数々と共に、グローバルにおけるマーケットリーダーとしての地位を維持しています。ヘンケルの従業員数は50,000人超であり、2016年の売上高は187億ユーロ、調整後の営業利益は31.7億ユーロを計上しました。ヘンケルの優先株はドイツ株式指数DAXのリストに入っております。

ヘンケルジャパンホームページ: http://www.henkel.co.jp
ヘンケルジャパンフェイスブックページ: http://www.facebook.com/HenkelJapan


-本件に関するお問合せ先-
ヘンケルジャパン㈱ トランスポート&メタル事業本部
TEL:045-758-1765 e-mail:yukie.aoki@henkel.com








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