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ニュアンスとDFKI、自動運転向け認知・対話型AI技術の開発で協業【ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン】

2017年5月29日

自動車、医療、カスタマーケアソリューションにおける提携拡大のために、
ニュアンスがDFKI内にオフィスを開設、
多くのプロジェクトの一つとして新たな調査に着手


ニュアンス・コミュニケーションズ社(以下、ニュアンス)は、人工知能(AI)のメソッドと応用に関する世界最大の研究機関であるドイツ人工知能研究センター(Deutsches Forschungszentrum für Künstliche Intelligenz、以下DFKI)との提携の拡大を発表しました。
ニュアンスは、人間と車載システムの関係性や、AIを適用した医療システムとオムニチャネル対応のカスタマーケアなど複数の共同研究イニシアチブについて、認知・対話型のAI技術の応用をさらに進めるために、ドイツ・ザールブリュッケンにあるDFKIのキャンパスにオフィスを開設しました。

ニュアンスとDFKIはすでに、自動運転車の自律システムのための認知型・会話型AIの応用に取り組んでいます。このような環境では、オートモーティブ・アシスタント(ニュアンスが提唱する、ドライバーのためのパーソナル・アシスタント)は、自動運転からドライバー自身の運転に切り替えの場面で効果的に連携するために、インテリジェントで協調的でなければなりません。

自動運転車はハンドルを握らずに済む時間を生むため、ドライバーは映画鑑賞、最新ニュースの確認、仕事の生産性を高めるアプリやサービスを使って長い通勤時間を有効に活用するなど、娯楽や生産的なタスクを行なって時間を過ごすことができるようになります。
しかし、ドライバーによる運転が必要となる場面では、素早くシームレスに運転の権限をドライバーに戻す必要があります。さまざまな運転権限の移行タイミングとシナリオを理解するために、ニュアンスとDFKIは、被験者によるユーザビリティ調査を行い、ドライバーの注意を引くために最も効果的な方法を特定しました。

この調査では、本を読む、音楽を聴く、メールを書く、映画を観るなど、自動運転車のさまざまな状況のシミュレーション環境で被験者がアクティビティをしている間、自律システムは、振動(触覚)、視覚、聴覚による刺激で警告し、どの刺激によって被験者が一番早くハンドルを握ることができたかを観察しました。また、本調査では、厳しい気象条件、システム自己診断による警告、センサー不具合、交通渋滞、一般交通規則など多様なシナリオが実行され、快適性、ユーザビリティ、情報への信頼度および情報の有用性などについて被験者の意見を確認しました。

この調査での主な結果は、以下のとおりです。

被験者の多くが、音声や振動、視覚情報による通知を活用したマルチモーダルユーザーインターフェースを好み、
  ドライバーは進行中のアクティビティと同じモダリティでの通知に対しては、反応が遅い(あるいは快適ではな
  い)、進行中のアクティビティに適した通知方法の組み合わせの方がよいと回答しました。例えば、本を読んでい
  る時は、音または振動で警告されることを好み、メールや仕事に没頭している時は、音で警告されることを好みま
  した。

車載システムは、現在のドライバーのアクティビティを含んだ自動車や自動車のセンサから得られる文脈情報と、
  素早い反応とより良いユーザー体験のための最適な警告のきっかけを把握している必要があります。

ドライバーのアクティビティ種類とは別に、音による通知は視覚情報による通知より快適で効率的だと考えられて
  おり、単純な振動や触覚による通知よりも早い反応を示しました。

ドライバーは、オートモーティブ・アシスタントからは、視覚情報だけの通知よりも、聴覚および触覚に訴える反
  応を信頼する傾向があります。

調査結果によると、ドライバーがオーディオブックや音楽を聴いている時に反応が一番遅くなっています。

本調査は、ニュアンスが米国と英国で約400名のドライバーを対象に実施した、自動運転車で移動中にどんなアクティビティをして過ごすかのリサーチを補完するものです。

1人で長距離運転をする場合、車中で行うアクティビティのトップ5は、ラジオを聴く(64%)、リラックスする(63%)、電話で会話(42%)、インターネット閲覧(42%)、メッセージの送受信(36%)ですが、すべて視覚、聴覚、触覚を使ったタスクを組み合わせたものでした。

他の人と一緒に運転する場合、電話で会話(19%)またはメッセージの送受信(23%)よりも、会話をする(71%)、ラジオを聴く(58%)など、同乗者と一緒にアクティビティを行なっています。

ニュアンスのCTO(最高技術責任者)、ブラッド・セノハ (Vlad Sejnoha)は、次のように述べています。「弊社とDFKIとの提携では、医師、医療機関、自動車メーカー、カスタマーケアの各分野における最先端AIソリューションの発展にフォーカスしています。ニュアンスとDFKIは、高度なパーソナルアシスタントと認知技術が効果的に人間の知能を増幅させ、そのプロセスの中で患者やお客様へのサービスを変革し、スマート機器やコネクテッドカーの経験をより生産的で充実したものにする、というビジョンを共有しています。」

DFKIのCEO、ウォルフガング・ヴァールスター(Wolfgang Wahlster)博士は、次のように述べています。「認知・対話型のAIは、デジタルデータの深層学習に基づく、デジタル化の波の第二弾を実現する主要技術です。ニュアンスとの提携によって、イノベーションを実行することはもちろん、人々が毎日使っているシステムに弊社の研究結果を直接応用し、現実世界での課題とコネクテッドスマートサービスプラットフォームの複雑性に取り組むことが可能になります。自動運転、ディープラーニング、マルチモーダルの対話、言語理解などの研究グループがあるザールブリュッケンのDFKIのキャンパスにニュアンスのオフィスが開設されたことで、人間とスマート環境間の会話の境界を拡大し、毎日の生活をより快適でより安全にする次世代の車、ボット、アシスタント、スマートオブジェクトの市場投入を目指します。」

ニュアンスとDFKIの提携は、自然言語理解(NLU)での言葉と意味のマッピングを発展させることで、医療システムやオムニチャネル対応のカスタマーケアを含む多くの垂直市場における、人とバーチャルアシスタント間の認知・会話型AIインターフェースをさらに進化させます。ニュアンスは現在40言語以上でNLUをサポートし、従来型のアプローチを超えた、より深い言語情報の抽出で言葉の機微を理解する“Deep NLU”の応用を継続的に拡大しています。DFKIのチームは、この分野で培ってきた経験と技術力で、Deep NLUをドイツ語にローカライズするプロジェクトを支援する予定です。

ニュアンスは、グーグル、マイクロソフト、インテル、SAP、BMW、ボッシュ、ドイツテレコムなどのグローバル企業と共に、DFKIの株主となっています。


ドイツ人工知能研究センター(DFKI)について
ドイツ人工知能研究センターは、革新的なソフトウェア技術分野におけるドイツの大手研究機関です。国際的な科学コミュニティでは、DFKIは「センター・オブ・エクセレンス」として認められており、従業員数と外部資金量に関しては、人工知能とその応用の分野で世界最大の研究センターとなっています。世界60カ国から485名の従業員が在籍しており、スマートデータ&ナレッジサービス、サイバー・フィジカルシステム、多言語技術、計画ベース型ロボット制御、教育技術ラボ、インタラクティブ・テキスタイル、ロボット工学イノベーションセンター、革新的販売ラボ、情報システム研究所、組込み型知能、スマートサービス工学、大量データのインテリジェント分析、インテリジェントネットワーク、エージェントおよびシミュレーテッドリアリティ、拡張視覚、言語技術、インテリジェント・ユーザーインターフェース、革新的工場システムなどを中心とした研究を現在行なっています。DFKIの元従業員の98人以上が教授職についており、約2500人の高い技能を持つ従業員が在籍する70のスピンオフ企業が設立されています。詳細については、www.dfki.deをご覧ください。


ニュアンス・コミュニケーションズについて
ニュアンス・コミュニケーションズは、日常生活にインテリジェンスをもたらす、革新的な認知・対話型AIを提供する先駆的なリーダーです。同社は、言語を理解し、分析し、応答するソリューションを提供し、生産性やインテリジェンスの向上に貢献しています。
過去数十年にわたるAIの専門知識を活用し、全世界を通じて、医療、通信、車載、金融サービス、小売などの業界において何千もの企業/組織と協業し、パートナーとそのお客様の関係をより強固にし、より良い体験をお届しています。
詳細はhttp://japan.nuance.com/をご覧下さい。

※ニュアンスおよびニュアンスのロゴは、ニュアンス・コミュニケーションズ社またはアメリカ合衆国および/またはその他の国に所在する子会社各社の商標または登録商標です。その他すべての会社名または製品名も、各所有者の商標である場合があります。


<お問い合わせ先>
アリソン・アンド・パートナーズ㈱
ニュアンス・コミュニケーションズ広報担当
TEL:(03)6809-1300 FAX:(03)6809-1301 E-mail:nuance_pr_japan@allisonpr.com








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