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《速報/人テク2017横浜》部品表面清浄度検査【インテクノス・ジャパン:小間番号77】

「マイクロクイック」は、単体部品表面上の異物を、従来の重量法でなく信頼性の高い粒子計数、簡易分析ができるVDA19対応機材です。異物監視への確実なアプローチで、品質向上に貢献します。

部品清浄度が自動車業界で求められるようになったのは、Robert Bosch GmbHがABSやディーゼルエンジン向けコモンレール式燃料噴射システムを生産開始したのが始まりだ。
同社は噴射ノズルの径を縮小し、コモンレール室内を高圧にしたことにより、小さな噴射ノズルに生産プロセスから混入したコンタミ粒子が詰まりやすく品質問題となった。
この問題から、旧式の重量法での検査限界が判明し、粒子計数法における部品清浄度検査の誕生へと繋がった。それ以来、自動車システムにおける多くのトラブルは微少コンタミ粒子の大きさや濃度に起因している、すなわち部品の清浄度を把握するのに重量検査では不十分であり、それらの検査では品質と信頼性が担保できないと判断され、部品単体の検査から粒子計数管理が求められるようになったのである。

そして、重量検査ではコンタミによる不具合との相関がとれないことが明らかになり、2005年にドイツ自動車工業会の品質マネジメントセンタから発行されたVDA19で、自動車部品における粒子清浄度検査の有用性が世界的に証明され、これを元に国際規格ISO16232が策定された。2009年に発行されたISO16232は、ドイツ以外の多くの自動車会社とそのサプライヤーに清浄度検査の重量法から粒子計数法への移行を後押しした。今日では、自動車会社内に多くの専門役職(多くの場合、部署)が作られ、粒子計数での部品清浄度やユニット集合体での残渣粒子の監視や対策にあたっている。最初に、エンジン・トランスミッション・ブレーキシステムなどの軸受・バルブ・ポンプ・流体部品で採用されたが、リチウムイオンバッテリや電子部品の清浄度管理にも粒子計数が求められ、増加の一途をたどっている。

▲ コンタミによる損傷要因は重さでなく大きさである

VDA19初版の発行から10年後、ドイツ自動車工業会は規格の改訂と付属書の追加を求めた。その主な理由は、分析結果の比較可能性の改善、及びコンタミ抽出・分析の新技術の追加である。改訂版(VDA19.1-2015)が2015年3月に発行されると、その内容を世界標準化すべくISO16232も改訂委員会が設置された。ISO16232の改訂版は、2017年に発行される予定である。今日この二つの規格が自動車業界における部品清浄度分析の枠組みを作っている。

当社が扱うパーティクルスキャナMicroQuickは、これまでの高額な光学/電子顕微鏡というハードルの高い分析機器の導入を、VDA19.1やISO16232の改訂版に準拠した独自のスキャニングシステムの開発により、コンタミ粒子の分析報告までの流れを一新した。フィルタに採取したコンタミの検出(分類・大きさ・個数)をわずか2.5分で自動測定する装置は、全世界のグローバル企業のファシリティで運用されている。

▲ VDA19.1, ISO16232に対応したパーティクルスキャナ MicroQuick

機械工業界の旧式残渣測定であり、今後管理しなければならない微少粒子の残渣試験には全く不向きで、現在の自動車部品の信頼性を確保する清浄度検査とは言えない。前提として、閉塞させたり摺動不良を起こす要因は、重量でなく粒子径に関係するからである。残念ながら国内の自動車製造ラインでの残渣検査としていまだ主流なのが重量法である。しかも、重量での正確な結果を得るためには分析フィルタの前処理が重要で、微少粒子では人為的な差が生じやすい。この方法を用いて3mg以下を計測するのは、技術的に困難であることは留意しておきたい。

DA19.1-2015改訂版以降では、パーティクルスキャナMicroQuickのような簡易的に粒子分析できる装置の採用が認められている。規格改定期間中にVDA19のワーキンググループは、複数の自動光学顕微鏡およびMicroQuickのラウンドロビン・テストを実施した。ランドロビン・テストとは、測定者の技量を含めて測定方法や測定装置の信頼性を検証するために、複数の試験機関にて同一試料の測定を行うことである。
この比較テストの目的は、テスト結果の同等性を上げるべく測定パラメータを確立するためであった。その結果、画像輝度および粒子検知の閾値を同一の方法で調整することにより、定量的結果がほぼ同じになることが判明した。今では、フラットベッド式スキャナ(当社のMicroQuickはこれに該当する)は粒度分析において光学顕微鏡を同等に扱われている(VDA.19.1改訂版に記載されたルーチン遵守を条件とする)。
パーティクルスキャナMicroQuickは、一般的に粒子種類と粒子径・粒子数が表示され、部品清浄度コードで合否を判定することができる。しかし、光学顕微鏡やスキャニング方式を含む画像解析では、ハードウエアやソフトウエアが高いレベルにあったとしても、材質特定は推測の域をでない。あくまでも光学式は粒子径と計数が検査ツールであることを理解しなければならない。
VDA19改訂版は、安価なパーティクルスキャナ装置や簡易な器具を用いた清浄度検査結果において、より良い同等性を示す前進となった。また、50µm以上の粒子がVDA19の標準清浄度分析対象となり、25μm以下の小さい粒子分析は部品単体での検査においてあまり重要ではない、という見解をVDA19のワーキンググループは示している。

▼ パーティクルスキャナMicroQuickでの部品洗浄度の一般的な表示方法








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