ニュース

燃費改善に貢献する「トラック用高強度板ばね用鋼」をニッパツと共同開発【愛知製鋼】

2017年4月17日

愛知製鋼㈱(本社:愛知県東海市、社長:藤岡高広)は、自動車の軽量化・燃費改善に貢献する「高強度板ばね用鋼 AUP30NS」を日本発条㈱(本社:横浜市、代表取締役社長:茅本隆司、以下ニッパツ)と共同開発した。

トラックのサスペンションに使用する板ばね用鋼は、車軸の位置決めと、タイヤから車体への衝撃を吸収する役割があることから優れた強度と靭性(※1)を必要としているが、従来、高強度化するために鋼の硬さを高めると、靭性が低下してしまうことが課題であった。

今回、ニッパツと共同開発した高強度板ばね用鋼は、高硬さ領域において優れた靭性を発揮する独自の成分設計と、鋼材製造から板ばね成形プロセスにおいてチタン炭窒化物を析出制御(※2)し組織の微細化を可能としたことにより、世界最高レベルの強度と、現用鋼以上の優れた靭性の両立を実現した。
これにより、重ね板ばねの枚数を減らすなどの軽量化も可能となる。

トラックをはじめ重量車に対する日本の排出ガス規制は、世界で最も厳しい水準にあり、部品1点ずつにおける軽量化ニーズは極めて高い。排出ガス規制において日本に続く欧米においても、今後そのニーズはますます高まることが予想されることから、燃費改善も合わせ、本製品は日本国内のトラックメーカーのみならずグローバルでも需要増加が期待される。

当社は、板ばね用のばね平鋼の材料開発から製鋼・圧延まで を手がける国内唯一のメーカーであり、この強みを活かし、今後も お客様と連携して材料設計から製品までの工程スルーでの軽量化技術の開発に取り組み、CO₂削減、排出ガス抑制を通して地球環境保全に貢献していきます。

(※1)靭性:材料の粘り強さ。材料の中で亀裂が発生し
     にくく、かつ伝播しにくい性質。
(※2)析出制御:材料成分と製造条件により、析出物の
     分散状態を制御すること。


【製品概要】
1.製品名:高強度板ばね用鋼 AUP30NS
2.特長:世界トップレベルの強度と靭性を高次元にて
   両立
3.開発のポイント:
   ①高硬さ域にて優れた靭性が得られる成分設計
   ②チタン炭窒化物の析出制御による組織微細化
4.用途:自動車懸架用板ばね
5.製造:愛知製鋼㈱知多工場
6.特許:国内取得済み
   海外申請中(一部取得済み)











愛知製鋼株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#愛知製鋼
#ばね
#サスペンション
#軽量化
#2017年4月17日