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液状ファルネセンゴム(LFR)が自動車用タイヤで初採用【クラレ】

2017年2月20日

液状ファルネセンゴム(LFR)が自動車用タイヤで初採用
~氷上グリップ性能を向上させるバイオ系液状ゴム~


㈱クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤正明)の液状ファルネセンゴム LFR(Liquid Farnesene Rubber)が、住友ゴム工業㈱(以下、住友ゴム)の最新スタッドレスタイヤ、「ダンロップ WINTER MAXX 02」に高機能化添加剤として採用されました。当社が開発したLFRはバイオ由来の新規ジエンモノマー「ファルネセン」を原料とした液状ゴムで、高い安全性と性能が求められる自動車用タイヤで採用されたのは、今回が初めてとなります。
当社ではこれまでにLFRに対して様々な特長を見出しており、今後もタイヤのみならず、多岐に渡るお客様の要求性能に合わせ、LFRの分子設計を最適化し、用途展開を進めていきます。

1.開発の背景

2011年に米・バイオテクノロジー企業Amyris Inc.(アミリス社)と共同開発
 契約を締結。同社が保有するバイオマス原料「ファルネセン」を重合に適した
 純度まで精製する技術、およびLFRの合成技術を確立。LFRの分子仕様とゴム
 コンパウンドに配合した際の様々な特長の関係性を見出し、タイヤメーカーへ
 の提供を開始。
今般、住友ゴムの最新スタッドレスタイヤ、「ダンロップ WINTER MAXX
 02」用に専用設計されたLFRは、ゴムコンパウンドに配合することで、低温下
 でのタイヤの氷上グリップ性能を高めるとともに、経年変化によるゴムパウン
 ドの硬化を抑制し、その性能維持に寄与する。

「ダンロップ WINTER MAXX 02」発売に関するニュースリリース






2.液状ファルネセンゴム(LFR)の特長

発酵技術によってサトウキビから製造される「ファルネセン」を用いた当社独自開発の液状ゴム。
従来の液状イソプレンゴムなどと比較して圧倒的に粘度が低く、ゴムコンパウンドに添加剤として配合すると高い可
 塑性が得られる。低温下でも柔軟性に優れ、氷上でのグリップ性能向上に寄与。
分子量等の最適化により、加硫時に固形ゴムと完全に反応して固定されるため、ゴム表面にオイルのように染み出す
 ことなく、経年変化によるゴムコンパウンドの硬化を抑制する。そのため、長期間にわたり氷上グリップ性能が維持
 される。

液状ファルネセンゴムは、高度に分岐したブラシのような構造を有し、分子鎖同士の絡み合いが少ない。また、それぞれの分岐末端に反応性の高い二重結合を有するため、加硫により固形ゴムと完全に反応して固定される。

ご参考

アミリス社について
アミリス社は、さまざまな分野のリーディングカンパニーにバイオ由来の製品を提供する、米国カリフォルニア州に拠点を置くバイオテクノロジー企業です。同社の「ファルネセン」に代表される「No Compromise®」製品は、スペシャリティケミカル、香味料、香料、化粧品成分、医薬品、栄養補助食品など、幅広い用途に展開されています。同社の詳細については、下記をご覧ください。

アミリス社ウェブサイト








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