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76~81 GHzの車載レーダに対応するADASテストソリューションのデモを公開【日本ナショナルインスツルメンツ】

2016年10月21日

自動運転車のテスト向けに、
ベクトル信号トランシーバを使用した柔軟性/信頼性の高いソリューションを提供


日本ナショナルインスツルメンツ㈱(本社:東京都港区、代表取締役:コラーナ マンディップ シング、以下 日本NI)は、2016年10月21日、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)向けの新たなテストソリューション(以下、ADASテストソリューション)をリリースします。先日ロンドンで開催された「EuMW(European Microwave Week) 2016」において、同システムのデモを公開しました。ADASテストソリューションは、76~81GHzの長距離/短距離レーダ用に設計されたもので、NIのミリ波フロントエンド技術と最近リリースした第2世代のベクトル信号トランシーバ(VST)「PXIe-5840」を基盤としています。

ADASテストソリューションは、瞬時帯域幅が1GHzの76~81GHz帯レーダのテスト用に設計されたミリ波アップコンバータ/ダウンコンバータと、ベクトル信号発生器・アナライザの両機能を併せ持つ第2世代のVSTで構成されています。そのため、ミリ波信号発生器・アナライザの両方の機能を有します。VSTに搭載されているFPGAをシステム開発プラットフォーム「NI LabVIEW」でプログラムすれば、ADASテストソリューションでレーダターゲットエミュレーションが行えるようになります。レーダターゲットエミュレーションとは、ある特定のレーダ断面積(RCS)、距離、相対速度、到来角を条件とした物体からのレーダ反射波を模擬する手法のことです。これはレーダシステムのソフトウェアとハードウェアのテストに不可欠な技術です。

完全な自動運転を実現するには、将来の自動車が、レーダ単体だけでなく、センサフュージョン技術に対応している必要があります。センサフュージョン技術とは、GNSS(全地球航法衛星システム)やレーダ、カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)からの入力を複合的に扱う技術です。センサフュージョン技術のテストには、タイミング/トリガ/同期の機能や、DCからRFまでに対応する計測機能、CAN(Controller Area Network)のようなバスインタフェースを備えているPXI(PCI eXtensions for Instrumentation)プラットフォームが適しています。柔軟性に優れたPXIプラットフォームを利用することにより、技術者は、センサ単体のテストから、センサからのデータを解釈し、それに基づいて判断を行う組み込みシステムに対するHIL(Hardware-in-the-Loop)テストまで、単一のシステムでカバーできます。

今回リリースするADASテストソリューションは、NIの提供する柔軟性に優れたソフトウェアプラットフォームとモジュール式ハードウェアプラットフォームの利点を活かした好例といえます。同ソリューションを導入することで、技術者はスマートなテストシステムを構築したり、計測内容を細かいレベルまでカスタマイズしたりすることが可能となります。また、LabVIEWやテスト管理ソフトウェア「NI TestStand」などのソフトウェア環境を併用することで生産性の向上を図ることもできます。さらに、NIには、アプリケーションエンジニアやパートナー企業、アドオン用IP(Intellectual Property)などで構成される強力なエコシステムがあり、それらを活用することによって、テストに要するコストを大幅に削減しつつ、製品を市場に投入するまでの期間を短縮することが可能です。さらに、将来の厳しい要求にも対応可能なテストシステムの構築にも役立ちます。

NIのVSTソリューションについてはwww.ni.com/vstをご覧ください。

Audi社 レーダ部門コンポーネントオーナー Niels Koch氏のコメント
「レーダは将来の鍵を握る重要な技術です。レーダシステムには高い信頼性が求められ、高度なテスト手法が必要になります。PXIに対応するVSTの広い帯域幅と遅延の少ないソフトウェアによって、これまでにない車載レーダセンサーを開発することができました。それだけでなく、NIのソリューションを導入しなければ見つけられなかったであろうレーダモジュールの重大なバグを特定することもできました。」

NI グローバル自動車戦略担当バイスプレジデント Stefano Concezziのコメント
「NIのADASテストソリューションは、レーダの特性評価とテストに向けた独自の手法を提供しています。具体的には、トレーサブルなRF計測とシステムシミュレーションの両方に対応できる拡張性を備えています。ADAS用のレーダに関する規制要件はまだ策定中ですが、このソリューションは高い柔軟性を備えているため、レーダに関する新たなシナリオに対してテストシステムを即座に適応させることができます。」


日本ナショナルインスツルメンツについて
ナショナルインスツルメンツ(NI)は、1976年以来、柔軟で優れたテクノロジシステムを提供し、世界中のエンジニアの生産性向上とイノベーションを後押ししてきました。ハードウェアとソフトウェアを統合したNIのプラットフォームは、ヘルスケアや自動車、家庭用電化製品から素粒子物理学にいたるまで、あらゆる業界で活用され、社会の発展に貢献しています。日本ナショナルインスツルメンツ(japan.ni.com)は、NIの日本法人です。








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