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パワー・ステージ・デザイナで電力ステージを簡単に設計【日本テキサス・インスツルメンツ】

2016年9月27日

同じ計算を何度も行わなければならなかったことありますか。電気/電子分野の技術者の方々でしたら、きっとそのような経験があるでしょう。手を使った計算は、とても退屈で時間が掛かります。電源管理回路を設計している時、選択した多種多様なトポロジで、多数のパラメータを変更しなければならないですから、反復計算の回数は増えてしまいます。

新しいパワー・ステージ・デザイナ・ツール3.0 は、17種類の電源トポロジについて、必要な電圧と電流の情報を瞬時に計算します。図1に、このツールがサポートしている各トポロジが示されています。このツールは方程式を活用しており、完全な結合を実現し、ダイオード損失のみ考慮する設定であるため、数値を入力した後は、シミュレーションのように結果を待つ必要はありません。しかし、浮遊インダクタンスや浮遊容量によって発生するリンギングやスパイク波形などの影響によって、最終的な設計で故障が発生しないよう、余裕を持った部品を適切に選択する必要があることに注意が必要です。

また、このツールは、電源ステージの重要な部品すべてについて波形を表示します。パワー・ステージ・デザイナは、使い慣れていないトポロジの動作モードを理解するためにも役立ちます。このツールは、14種類のトポロジで、CCM(連続導通モード)とDCM(不連続導通モード)の両方について、結果と波形を計算できます。同期整流降圧型、ワインバーグ型やフェーズ・シフト・フルブリッジ型の各トポロジについては、CCMのみ利用可能です。


図1:パワー・ステージ・デザイナ 3.0の電源トポロジ選択ウィンドウ


図2に、Zetaコンバータのメイン・ウィンドウを例として、利用可能な情報を示します。


図2:Zetaコンバータのメイン・ウィンドウ


画面の回路図上の部品シンボルをクリックすることで、個々の部品の電流と電圧のピーク値、RMS(実効値)電流、AC(交流)や波形を表示できます。この情報によって、図3のZetaコンバータのL2と同様に、個々の設計で適切なデバイス定格と部品点数を選択できます。結局のところ、選択する部品は、指定されたすべての条件で、電流・電圧のストレスに耐えることが必要です。グラフ・ウィンドウのスライダーを動かすことで、可能な範囲全体に渡って入力電圧を変更できます。 これらの計算は特定のコントローラICとは無関係であるため、最初に異なるトポロジを柔軟に評価できます。したがって、設計の初期段階からデータシートの内容を詳しく理解する必要もなく、トポロジや回路の概要を容易に把握できます。もちろん、トポロジとコントローラ/コンバータを選択した後、入力した数値が、そのICの最小オンタイム、オフタイムや最大デューティ・サイクルなどの制限値を越えないようにすることが必要です。


図3:ZetaコンバータのL2のグラフ・ウィンドウ


最適な設計が完成し、パラメータを保存したい場合にはファイルにセーブしておき、必要に応じて再ロードできます。また、TIのウェブサイトで、必要な仕様に適合する設計済、試験済のTIデザインを検索することもできます。あるいは、設計パラメータをWEBENCH®デザイン・センターに転送してコントローラ/コンバータを検索し、設計を最適化することもできます。


補足情報 :
より高速でさらに便利な設計を可能にするパワー・ステージ・デザイナ3.0
ビデオ : パワー・ステージ・デザイナ入門 (英語)
17種類の電源トポロジをまとめたパワー・トポロジ・クイック・リファレンス・ガイド


※WEBENCHはTexas Instrumentsの登録商標です。その他、すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
※上記の記事はこちらのブログ記事(2016年9月9日)より翻訳転載されました。


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