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『過酷環境対応ハブベアリング』を開発【NTN】

2011年11月24日

未舗装路・泥水・寒冷地など過酷な環境に対応し、耐久性能を大幅に向上!

NTN㈱(以下、NTN)は、未舗装の悪路や寒冷地などでも、信頼性の高い走行や車両の輸送が可能な『過酷環境対応ハブベアリング』を開発しました。

新興市場などで見られる道路が未整備な地域において、自動車のタイヤとホイールを支えるハブベアリングは、振動(荷重)・衝撃のほか、泥水にさらされる頻度が高くなります。その結果、軌道面に圧痕が生じたり、泥水がハブベアリング内部に浸入することで、グリースの流出や劣化が生じて軌道面と転動体(玉)に油膜形成(潤滑)が不十分になり、摩耗を誘発させることがありました。
また、車を販売店へ届ける手段として、貨車による長距離輸送が増加していますが、特に寒冷地では、貨車走行時のレール間継ぎ目から発生する振動が、ハブベアリングの軌道面にフレッティング摩耗※を発生させることがありました。

今回、開発した「過酷環境対応ハブベアリング」は、荷重・衝撃、泥水、低温フレッティングという3つの課題に着目しました。荷重・衝撃には、ハブベアリングの内部設計を最適化したことで、軌道面の圧痕深さを従来の1/4に低減、耐荷重性能を向上させました。また、耐泥水にはシールのハブベアリング接触部形状を最適化し、泥水浸入を低減、耐泥水寿命を2倍以上に伸ばしました。さらに、低温フレッティングには特殊グリースの採用により金属接触を防止し、特に低温時の耐フレッティング摩耗を従来の1/10以下に向上させました。

NTNは、本軸受を東京ビッグサイトで12月2日~11日にわたって開催される「第42回東京モーターショー2011」に出展し、今後、過酷な環境を含めてグローバルに市場展開していきます。

※フレッティング摩耗 : 接触する2つの物体が微小な振幅の振動で摩耗が集中的に発生する現象。 主な要因として潤滑不良が挙げられる。

特長(NTN従来品比)

①耐荷重性向上の内部設計 : 軌道面肩部の圧痕深さ 1/4に低減
(軌道面肩高さを増大、軌道面の溝と肩部つなぎ目をストレート形状に)

②耐泥水・長寿命シールの採用 : 耐泥水寿命2倍以上
(インナー側:シールリップ接触位置の見直し、アウター側:堰付構造の適用)

③特殊グリースの採用 : フレッティング摩耗深さ1/10以下(-50℃時)

販売目標

15億円(2013年度)

問い合わせ先

自動車事業本部 事業企画部
TEL : 0538-37-8418


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