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自動化を追求、“難しい”不良解析を“簡単”に変える赤外顕微鏡「AIM-9000」を発売【島津製作所】

2016年5月12日

掲載されている内容はすべて発表日当時のものです。その後予告なしに変更されることがありますのであらかじめご了承ください。


赤外顕微鏡「AIM-9000」(右)とフーリエ変換赤外分光光度計「IRTracer-100」(左)


島津製作所は、業界最高クラスとなる30,000:1のS/N比での測定が可能であり、測定対象を20箇所まで自動認識する機能などを搭載して大幅な自動化を実現した赤外顕微鏡「AIM-9000」を5月12日に発売します。

本製品は、“簡単”かつ“自動”で微小な異物を測定できることを開発の軸としており、広視野カメラ(オプション)による容易な測定範囲の決定や測定対象の自動認識、測定領域(アパーチャ)の自動設定などが新たに可能になったことに加え、ソフトウェアに標準搭載している異物解析プログラムによって未知サンプルを素早く同定できます。加えて、当社従来製品の5倍となるS/N比を実現しており、極めて高い感度で測定を行えます。

※ S/N比…信号(Signal)とノイズ(Noise)の比。S/N比が高いほどノイズの影響が低減され、小さなピークまで測定できる。


【開発の背景】
赤外顕微鏡は、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)に接続して使用する装置です。赤外光の反射や透過を利用して、FTIR本体のみでは測定できない微小領域を測定でき、医薬品の錠剤に付着した異物や、接触不良の原因となる電子基板の汚れの同定といった不良解析を主な用途としています。近年、安全意識の高まりや品質管理の重要性が増していることを背景に、当社では、赤外顕微鏡の市場規模が毎年5%程度成長していると推定しています。また、測定に習熟していない分析者も増えており、より微小なサンプルを短時間で手間をかけずに測定したいという要望が強まっています。

このようなニーズに応えるべく、当社は、優れた測定能力を備えながら“ついに不良解析は自動で行う時代へ”というコンセプトを掲げる新しい赤外顕微鏡「AIM-9000」を上市しました。製薬・ライフサイエンス、石油・化学、電機・電子、機械・輸送機といった業界向けに、2016年度には「AIM-9000」単体で国内外100台の販売を計画しています。


【新製品の特長】
1.前機種の約5倍のS/N比を実現、最大倍率330倍の可変デジタルズームで素早く測定範囲を決定
当社従来製品のS/N比が6,000:1だったのに対し、本製品は、その5倍となる業界最高クラスのS/N比30,000:1を実現しており、微小なサンプルの測定に優れています。サンプルをセットする際は、ステージが自動で下方に移動するので出し入れが容易です。また、前機種によるズームは倍率33倍の固定ズームのみでしたが、本製品のオプションである広視野カメラは倍率1倍~5倍までの可変デジタルズームが可能であることに加え、標準搭載の顕微カメラは倍率33倍~330倍までの可変デジタルズームに対応しており、トータルで最小倍率1倍・最大倍率330倍の可変デジタルズーム機能を実現しました。極めて小さな不良箇所も素早く容易に発見できます。

2.自動化を追求、測定箇所や測定領域を装置が自動で設定
測定範囲決定後は、ワンクリックで異物や不良と思われる箇所を自動認識し、測定領域(アパーチャ)を自動で設定します。当社従来機では、これらの設定を分析者が手動で行う必要があり手間や経験が必要でしたが、本製品は、最大20箇所の不良箇所の認識と測定領域の設定を数秒で行うことができ、大幅な効率化が期待できます。また、可視観察と赤外測定が同時に可能になり、測定位置を確認する際に役立ちます。

3.異物解析プログラムによる同定の自動化
異物のスペクトル取得後は、ソフトウェアに標準搭載されている異物解析プログラムによる自動解析が可能です。当社独自の解析アルゴリズムを採用する異物ライブラリはヒット率が高く、分析者自身による成分数の決定といった作業を必要とせずに、数秒で同定結果を表示します。また、1月に発売した「加熱劣化プラスチックライブラリ」など、当社製のライブラリをソフトウェアに追加することで、さらに同定の精度を高めることができます。




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