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車車間通信による未来のスマート・ハイウェイと貨物輸送をデモ【NXPセミコンダクターズN.V.】

2016年4月11日

自動運転トラック :
NXP、車車間通信による未来のスマート・ハイウェイと貨物輸送をデモ


「欧州トラック隊列走行計画」に参加し、NXPのセキュアなV2V通信とレーダー技術により、EU内の燃料効率、
安全性、交通の流れ、貨物輸送効率の向上と排出削減を実現へ

NXPセミコンダクターとDAFトラック社は、トラックによる自動運転技術のデモに成功したと発表しました。このデモはオランダのインフラストラクチュア・環境省の企画により「欧州トラック隊列走行計画」の一環として行われたもので、欧州の数都市からオランダに向かう公道でトラックの隊列走行を実施しました。この計画は、経済、交通管理、安全面における利点を提示し、自動運転隊列走行の実現に向けて一歩前進することを目的としています。さらに、速度と車間距離に関する現在の規則と規制が国によって異なることから、欧州全域をカバーするインテリジェント交通システム(ITS)関連の法制化と標準化の必要性を提起します。

EcoTwinコンソーシアムのもとで、NXPDAF社TNO社Ricardo社はこのデモの実現に向けて協力してきました。「EcoTwin」技術を構成するコアとなっているのは、NXPが開発した先進的なRoadLINK車車間(V2V)通信ソリューションです。IEEE 802.11p無線通信技術とNXPのレーダー技術の組み合わせにより、隊列内のトラックのリアルタイムでセキュアなデータ送受信や、先頭トラックに対応した自動ブレーキ/加速操作を可能にします。NXPのRoadLINK技術の高速通信/応答能力は、隊列走行するDAF社のトラック間での極めて精密な車間距離維持と真の同期走行を可能にします。自動加速/ブレーキ操作の実証では、時速80キロ走行の場合、車間距離がわずか10メートルになることから、車間間隔は0.5秒に設定されました。人間の平均反応時間が1秒であるのに対し、隊列内の後続トラックの応答能力は推定で25倍速くなり、緊急ブレーキ時に極めて重要な時間の短縮を実現します。

NXPが開発したRoadLINK通信システムは、隊列に参加したDAF社のトラックのミラーに組み込まれています。4個のセキュア・チャネルを備え、冗長性の高いNXP V2Vシステムは非常に信頼性の高い通信を実現します。隊列走行の指令を提供するほか、2台のトラック間のリアルタイムなビデオ通信と双方向の音声通信を可能にします。音声通信により、携帯電話ネットワークなどの他の通信チャネルを使用せずにドライバーは相互に会話することができます。また、先頭トラックのV2V対応カメラの映像が後続トラックのドライバーに送信され、前方の道路の視界がさらに改善します。

NXPセミコンダクターズのカー・インフォテインメントおよびドライバー・アシスタンス担当シニア・バイス・プレジデントのTorsten Lehmannは「DAF社のトラック向けのセキュアなV2V通信とレーダー技術の主要パートナー兼プロバイダーとして『欧州トラック隊列走行計画』に参加できたことを光栄に思います。この計画に参加したDAF社のトラックなどの隊列はNXPの技術を使用し、安全かつ効率的にこのプログラムを完了させることになります」と述べ、さらに「V2X技術の普及促進で業界をリードするNXPは、EU内の燃料効率、安全性、交通の流れの向上と排出の削減に貢献すると同時に、交通事故の防止と死傷者数の削減を実現します」と述べました。

DAFトラック社の取締役会メンバーで製品開発担当のRon Borsboom氏は「隊列走行を新技術として市場に発表できるようになるには、多くの継続的な開発が依然として必要であることは言うまでもありません」と述べ、さらに「2020年までに完成するプロセスでないことも確かです。法制化、責任、受容などの面で解決すべき課題が多数存在しています。NXP社、TNO社、Ricardo社と協力し、私たちはトラックの隊列走行が技術的に可能なことを『欧州トラック隊列走行計画』で実証します。このデモはトラックメーカーがより経験を深めるために公道上でこの技術の試験をさらに実行できる道を拓きます。これを可能にするのは今や政治家にかかっています」と語りました。

NXPのレーダー・ソリューションとRoadLINK技術はオランダで4月6日に開催された隊列走行に参加したいくつかのトラック隊列に採用されました。NXPの車車間(V2V)と路車間(V2I)通信技術は、自動運転車とマクロな交通管理の継続的開発と進化に不可欠な役割を果たします。近接する車両間の速度、位置、方向に関する情報の自動送受信を可能にするとともに、車両とインフラ間の局地的な速度制限、交通信号、道路工事警告、危険箇所などの交通管理データや危険データの通信を可能にします。これにより、交通の流れの大幅な改善や、交通事故、消費燃料、排出の低減が可能になります。NXPはV2X技術に関し、シーメンス社、Harman社、デルファイ社、Cohda Wireless社などのOEM企業や業界の主要な企業と協力しています。NXPのRoadLINKはデルファイ社のV2Xプラットフォームの一部として、今年から量産モデルに搭載される予定です。また、NXPは先進運転支援システム(ADAS)向けレーダー技術のサプライヤとして業界をリードしており、累計出荷数は1,500万を超えています。


関連情報とリンク
「欧州トラック隊列走行計画」のライブストリーミングを4月6日中央ヨーロッパ時間11:30(日本時間18:30)からhttp://www.eutruckplatooning.com/で実施しました。「欧州トラック隊列走行計画」で採用されているNXPの技術の関連情報は以下のリンクをご覧ください。

NXP、米運輸省の「スマート・シティ・チャレンジ」計画のV2X通信パートナーに選定
NXP、ADASの普及を加速する画期的なレーダー技術を発表
‘EcoTwin’ participating in the European Truck Platooning Challenge

隊列走行開始時の写真はこちらからダウンロードできます。


NXPセミコンダクターズについて
NXPセミコンダクターズは、よりスマートな世界を実現するセキュア・コネクションとセキュア・インフラを可能にし、人々の生活をより便利に、より良く、より安全にするソリューションを推進しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、セキュアなコネクテッド・ビークル、エンド・ツー・エンドのセキュリティ/プライバシー、スマートなコネクテッド・ソリューションの市場における技術革新をけん引しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPでは世界35か国強で4万5,000名の従業員が活動しています。2015年の売上高は61億米ドルでした。詳細はWebサイトhttp://www.nxp.com/ja/(日本語)をご覧ください。

NXPセミコンダクターズジャパンはNXPセミコンダクターズが開発および製造する車載、認証、インフラ/産業機器、コンシューマ向けのハイパフォーマンス・ミックスドシグナル製品やプロセッシング・ソリューション、高出力RFおよびスタンダード製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、大阪および名古屋に営業所があります。

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