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安全性をさらに高めるダブル・ステアリング : ZFがフロント及びリアアクスル・ステアリングを統合したプロトタイプを公開【ゼット・エフ・ジャパン】

2016年2月23日

■ ZF TRWのデュアルピニオンEPS(電動パワーステアリング)とZFのAKC(アクティブ・キネマティクス・コント
  ロール)後輪操舵の連携により、運動性能、安定性および快適性が向上
■ 実績のあるシステムの連携により高い付加価値を実現
■ 自動運転機能への応用も可能

ゼッ ト・エフ・フリードリヒスハーフェン社(以下、ZF)はZFおよびTRWの統合で実現された付加価値の高いソリューションを提案するテスト車両をメディア 向けに公開しています。プロトタイプ車両では、フロントアクスルにあるZF TRWのデュアルピニオン電動パワーステアリング(EPS)と、ZFのアクティブ・キネマティクス・コントロール(AKC)を連携させています。この技術 によって、走行時の安全性が高められます。路面が滑りやすい状況でも、車線変更や追い越し時に正しい走路を完璧に維持する事が可能になります。

ZFのCEO、シュテファン・ゾンマー博士は次のように語っています。「2社の統合によって拡張されたZFの製品ラインナップを組み合わせるだけでも、お客様に対して高い付加価値を有する製品を生み出せるということをこのテストカーが証明しています。実績のあるシステムが完璧な調和を見せたとき、運転の快適性だけでなく、安全面においても大きな向上が実現します」

ZFのAKC : 進路を常に維持
このテストカーは、電子連動制御ユニットを用いてZFのAKCアクティブ制御後輪操舵システムを、高効率なZF TRWのデュアルピニオンEPS電動パワーステアリングに連携させています。AKCと前輪操舵の連携効果を各種の走行条件で実証するため、プロトタイプでは後輪操舵のオン・オフが独立で切り替えられるようになっています。低速走行時にはAKCによって後輪が前輪と反対方向に操舵され、車体の回転半径が縮小されると共に快適性が向上します。高速走行時には前輪と後輪が同じ方向に操舵され、安定性が改善されます。4輪がすべて同方向に操舵されると、車体の前後軸に沿った回転モーメントが減少し、安全な走行が実現します。4輪がすべて同方向に操舵されると、車体の前後軸に沿った回転モーメントが減弱され、安全な走行が実現します。

AKCをモジュラー・リア・アクスル・システムに組み込み
テストカーに当初搭載されていたリア・アクスル・システムを、AKC後輪操舵システムの組み込みのために新開発のリア・アクスルに入れ替え、 ベース・アクスルにセミトレーリング・アーム式のモジュラー・リア・サスペンションの改良版を搭載しました。この構成の一部として、下部コントロールアームにアウトボード装着されていた後輪操舵点を一体型リンクに交換し、さらにトー・リンクを追加しました。このトー・リンクによってホイール・ハブのアライメントが決まり、トー・イン角度を正確に調整できます。また、セミトレーリング・リンク式アクスルで一般的なストラット式サスペンションに代わり、大胆にアウトボード装着された一体型リンクを用いることでスプリングとダンパーの独立仕様化が可能になりました。このリア・アクスル・システムはAKCだけでなく、電動あるいは従来型の駆動モジュールとの組み合わせも可能です。

ステア・バイ・ワイヤ : 自動運転に向けたステアリングシステム
この2つのステアリングシステムの組み合わせは、今後実用化される半自動や全自動運転にも活用可能です。テストカーのセンターコンソールに装備した追加の制御ユニットによって実証されています。このユニットにより、フロントおよびリア・アクスル部の操舵システムが完全に電子制御されます。プロトタイプではデモンストレーション・モードでの作動ですが、こうしたステア・バイ・ワイヤシステムは追い越しや車線変更時など、半自動や全自動の操舵機構に応用が可能です。デモカーに搭載された2つのステアリングシステムの組み合わせは、滑りやすい路面での車線変更や追い越し時のクルマの横滑りを回避できる安全性を実証しました。

ゾンマー博士は次のようにも述べています。「今回のプロトタイプは、ZFの乗用車向け技術の可能性の一部を示しているにすぎません。ステアリングシステム、ブレーキ、アクティブ・シャシ・システムに加え、カメラやレーダーシステムの連携にZFが取り組み、これらを統合した自動運転支援システムが提供できれば、安全性と快適性をさらに高めることができます。」








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