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耐圧600Vの車載用ゲート駆動ICをサンプル出荷開始【IRジャパン】

2011年10月26日

インターナショナル・レクティファイアー
耐圧600Vの車載用ゲート駆動ICをサンプル出荷開始
~ 小型、高信頼性で、設計の簡素化、小型化に貢献 ~

パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区)は26日、耐圧600Vの車載用3相ゲート駆動IC「AUIRS2332J」のサンプル出荷を開始しました。電気自動車やハイブリッド車の高電圧モーター駆動回路に最適です。

AUIRS2332Jは、高電圧、高速のパワーMOSFETやIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)の駆動ICです。出力チャネルに対応する独立した3つのハイサイド(*1)駆動回路とローサイド駆動回路を集積しています。IR社独自の高耐圧IC(HVIC)技術によって、CMOSまたはLSTTL、さらに低い3.3V論理の出力と互換性がある論理入力を備えた耐久性が高いモノリシックICを実現しました。
この新しいICは、外付けの電流検出抵抗や、電流トリップ機能、過電流時または低電圧時の遮断(シャットダウン)を知らせるためのオープン・ドレインのFAULT信号を介してブリッジ電流のアナログ帰還を提供するために、接地電位を基準とするオペアンプも集積しています。
このICのパッケージは44端子のPLCC。高電圧ピンの間の沿面距離が長いので、プリント回路基板のレイアウトが容易です。電気自動車やハイブリッド車のモーター駆動またはインバータ(*2)の用途で要求される信頼性や丈夫さを提供すると同時に、設計の簡素化、小型化に貢献します。

AUIRS2332Jは、システムを強化するために、通常動作時や保護モードの間に生じることがあるスイッチング・ノードの負の過渡現象(負のスパイク電圧)に対して完全に定格化されています。ICの出力駆動回路は、駆動回路の相互導電を最小化するように設計された大きなパルス電流を扱えるバッファ段を備えています。
伝播遅延時間は、高い周波数での使用を単純化するために整合しています。nチャネル・パワーMOSFETまたはIGBTを駆動するために、ハイサイド駆動回路は、フローティング・チャネル(駆動回路の基準電位がシリコン基板の電位に対して浮いた状態)になっています。
出力電圧範囲は10V~20V。出力電流は吐き出し時が250mA、吸い込み時が500mA(いずれも標準値)。オン時/オフ時の伝播遅延時間はいずれも標準540ns。接合部温度は最大150℃。動作温度範囲は-40℃~125℃(周囲温度)です。

IR社の車載品質のICは、ゼロ・ディフェクトを目標とするIR社の車載品質イニシアチブの対象製品として、完全自動化されたウエハー・レベルの目視検査に加え、動特性や静特性の試験を行っています。車載部品の品質規格AEC-Q100に準拠し、部材は鉛フリーで欧州の規制RoHS(特定物質の使用規制)に準拠しています。
データシート、アプリケーション・ノート、品質基準は、IR社のホームページ(www.irf.com)から入手できます。Spiceモデルを用意しています。
AUIRS2332Jの1万個購入時の単価は3.34米ドルからの予定です(米国での参考価格)。データシートと画像データはIRジャパンのホームページ(www.irf-japan.com)から入手できます。

用語説明

*1)ハイサイド : 大電力スイッチング回路の出力に同極性のパワーMOSFET(通常はnチャネル)またはIGBTを直列に接続して(トーテムポール出力)、ハーフブリッジ回路を構成した場合、上側のMOSFETまたはIGBTを駆動する回路をハイサイド駆動回路(電流を供給する役割)、下側をローサイド駆動回路(電流を吸い込む役割)と呼びます。

*2)インバータ : 直流を交流に変換する回路です。逆変換という意味です。交流を直流に変換する回路はコンバータと言います。

インターナショナル・レクティファイアー(IR®)社について

IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源のシステムや部品は、コンピュータの性能向上や、世界で最も電力消費の大きいモーターの省エネに貢献しています。コンピュータ、省エネ家電、照明器具、自動車、衛星・航空・防衛システムなどの主な製造企業は、次期製品の性能向上のためにIR社のパワー・マネジメント
・ ソリューションに頼っています。本社は米国のカリフォルニア州エルセグンド。

商標に関する注意

IR®はInternational Rectifier Corporationの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。


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